人材派遣の活用ガイド
人材派遣の定義、仕組み、メリット、人材派遣料の決め方、そして派遣サービスを上手に活用するためのポイントとは?
即戦力人材が大至急必要…今日のビジネスの世界ではそんなシチュエーションは珍しくありません。必要な人材を素早く確保するには人材派遣が有効です。
刻々と変化するビジネス環境に機敏に対応するため、派遣などの有期雇用契約人材を活用する企業が増えています。近年では派遣で働くハイスキル人材が増えていることもあり、様々な場面で派遣社員の姿を見かけるようになりました。
予期せぬ事態に急いで対応しなければいけない場合、繁忙期や急な需要増に対応したい場合、重要な新規事業を進めるために新たなスキルを外部から取り入れたい場合なども、派遣で必要な人材を確保できる可能性があります。
人材派遣とは?どんなニーズに合うサービスなのか?
人材派遣とは、必要なスキルを持った人材に必要な期間だけ、ヘルプに来てもらえるサービスです。例えば以下のようなニーズに対応できます:
- 特定のプロジェクトで特殊なスキルが必要
- 新規事業を立ち上げるために専門知識が欲しい
- 突然の欠員によりすぐに人が必要
- 正社員の採用予算はないが人手が欲しい
- 繁忙期だけ人員を増強したい
- 産休や長期休業のカバーが必要
人材派遣はこのように、急ぎで人が必要な場合や既存の社員にないスキルが期間限定で必要な場合などに大変適したソリューションです。
人材派遣の仕組み
派遣会社には様々なスキルを持った人材(派遣社員)が登録しており、派遣サービスを利用したい企業から依頼があると、ニーズに合った人材を「派遣」し、その対価として派遣料を受け取ります。
派遣社員を雇用しているのは派遣会社(派遣元)であり、就業先(派遣先)の企業からすると臨時に来てくれる外部の人材という位置づけです。
ですから派遣社員の給与計算や給与の支払いは派遣会社が行います。
派遣会社はまた、労務管理やオンボーディング(リアル/リモート)や、定期的なフォローアップなど、安定就業のためのサポートも行います。
就業先の企業は、事前に結んだ「労働者派遣契約」に基づいて派遣社員に業務指示を行い、派遣会社に料金(時間ベース、プロジェクトベースなどの決め方があります)を払うだけです。
正社員と比べると企業の負担はとても少なくて済む仕組みと言えます。
人材派遣サービスを利用するメリット
人材派遣サービスを利用する際は、その分野に強い派遣会社を利用するようにしましょう。ポジションに最も相応しい人材をスピーディーに紹介してもらうことができます。
人材派遣サービスを利用するメリットには、例えば以下のようなものがあります。
すぐに来てもらえる
人材派遣は依頼から就業開始までの期間が短く、すぐにスタートしてもらえるケースも珍しくありません。正社員の採用と比べてスピーディーに必要な人材を確保できます。
高度な専門知識やニッチなスキルを確保できる
既存の社員にはない経験やスキルが必要な場合に、他社で様々なケースを見てきた専門人材を確保することができます。
必要な期間だけ人材を登用できる
人材派遣サービスは短期(1、2ヶ月)、3か月更新、プロジェクト単位などで利用できるため、柔軟に人員を配置することができます。
即戦力を迎えられる
派遣社員は様々な職場で経験を積んでいるため新しい環境への適応が速く、リモートワークに慣れている人も多いので、即戦力になります。
人事や経理の負担を軽減できる
オンボーディング(受け入れ)・オフボーディング、給与支払・労務管理やコスト管理は全て人材派遣会社が行うため、自社の負担やコストを軽減することができます。
書類管理が楽
就業開始時の書類手続きやバックグラウンドチェック(適宜)、書類の保管は派遣会社が行うため、正社員採用時と比べて書類管理業務を効率化できます。
コスト効率のよさ
上述のように採用や人事管理にかかる時間・労力を節減できるため、正社員に比べてコストを抑えやすくなっています。
ダイバーシティの推進にも
外部から多様な人材を迎えられるのもメリットの一つです。リモート勤務なら、遠方や海外の人材を活用することもできます。
人材派遣料について
人材派遣サービスの利用料を派遣料といいます(直接雇用ではないため人件費には該当しません)。
派遣料は様々な要素によって決まります。
1. 業務内容
最も重要なのが業務内容です。どの業務を依頼するのかによって、派遣される人材のスキルや能力、経験値が変わります。当然、専門性が高いスタッフの方が派遣料は高くなります。
特にハイスキル人材では、派遣などの有期雇用契約では職の安定性がない分、正社員よりも高い給与を希望する人も少なくありません。
勤務地や業界、人材市場における需給バランス、契約期間といった要素も影響します。予算が足りない場合、時短勤務にするなど、就業時間数で調整することもできるかもしれません。
まずはイメージしている人物像に対する相場を派遣会社に確認してみましょう。
2. 人数
業務内容と併せて検討したいのが人数です。現場でリーダーシップを発揮できるような高スキルのベテランスタッフを1名確保し、ビジネスクリティカルな課題や複雑なタスクを任せることもできます。中長期の依頼なら、派遣料が高めでも相応のリターンを得られるでしょう。
一方、大きなタスクを切り分け、ジュニアスタッフ数名で対応するというやり方も可能です。よい形で知識や経験を補い合えれば、職場の活性化につながる可能性もあります。
3. 派遣スタッフにとってのメリットも重要
もちろん、時給が高いに越したことはありません。
ですが高い時給を用意できなくても、他の魅力で優秀な人材を惹きつけられる可能性があります。例えば以下のような点です。
- 企業としてのブランド(その会社で働いていたことが後のキャリアアップにつながるか)
- スキルアップの機会
- 得られる知識・経験
- 残業時間の少なさ
- 交通アクセスのよさ(通勤のしやすさ)
- その他の非金銭的メリットなど
派遣会社は登録スタッフに就業先を命じられるわけではありません。従って、優秀な派遣スタッフを確保する鍵は派遣スタッフが「働きたい」と思えるような契約内容をまとめることが大切です。正社員採用時のタレントアトラクションと同じですね。
人材派遣サービスを上手に活用するポイント
1. 依頼前に解決したい課題、達成したい目標を明確に
人材派遣を利用する最大のメリットの一つはニーズに合わせて臨機応変に人員体制を整えられることですが、正社員を採用した方がよい場合もあります。
派遣会社に依頼をする前に、どの部署や領域で人手・知識・スキル・経験が不足しているのかを分析し、ボトルネックを明確にしておきましょう。これによりどのような形で人材を確保するのが最適かが見えてくるはずです。
はじめにきちんと課題やゴールを設定することで、採用費用を効果的に使えるだけでなく、オーバーワークに悩む既存社員の不安解消にも役立ちます。
2. 派遣契約の期間や条件の最適化
人材派遣サービスを上手に活用するためには、派遣契約の期間や条件をどう設定するかも重要です。プロジェクトなら完了予定日があるかもしれませんが、それに縛られる必要はありません。
いつまでヘルプが必要なのかという自社側のニーズを見通すとともに、供給サイドの事情も把握しましょう。
短期契約は付加価値が高い仕事をしづらいので敬遠するスタッフもいます(短期契約のリスクを時給の上乗せでカバーできる場合もあります)。一方、次々とプロジェクトをこなしてステップアップしたいと考えるスタッフもいるので、一概に長い方がいいというわけでもありません。
派遣会社やスタッフと話し合いながら契約期間や条件を決定するとよいでしょう。
また、更新は早めに切り出すのが鉄則です。契約満了日が近づいても更新の話がなければ、派遣スタッフは次の職探しに動かざるを得ないからです。
3. 依頼は専門性の高い人材派遣会社に
人材派遣会社には様々なスキルを持った派遣社員が登録しています。過去に別の企業に派遣して働きぶりや実績がわかっている社員も少なくありません。
更に特定の分野に強い派遣会社なら、ニッチなスキルや経験に対するニーズを理解し、上手にマッチングしてくれるでしょう。
依頼から就業開始まで、短いターンアラウンドが期待できます。
4. 受け入れ準備をしっかり
正社員の定着率を高めるためにオンボーディングが重要ということは広く知られていますが、派遣スタッフにも同じことが言えます。
即戦力としての活躍が期待される派遣スタッフにとって、すぐに就業できる環境が整っていることはとても大切です。
部署の正社員スタッフとも事前に話し合い、派遣社員と正社員の役割分担を決めておきましょう。そうしないとタスクの重複や漏れが生じてしまい、せっかく人手を増やしたにも関わらず生産性が下がってしまう可能性があります。
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