外資系金融の業界用語
外資系金融には独特の業界用語が多数存在します。その中でも良く使われる基本的な用語をアルファベット順にて、リストアップしました。
リストアップしたのは、金融ヘッドハンターとして良く耳にする表現です。
ご参考にして頂ければ幸いです。
Analyst:
学部卒の新卒の入社時のタイトル。
通常アナリストとして2年から3年の経験を積み、次のタイトル、アソシエイトに昇進する。
尚、リサーチ業務を専門とするエクイティアナリストは職業上の用語であり、外資系投資銀行の社内階層を表すアナリストとは異なる。
Algo Trader:
金融工学を使ってマーケットの動向を分析、コンピュータにより自動的に最良の判断を決めて実行するトレーディング。
理系出身人材が中心のマーケットで、IT分野からの転身する人材も多い。
APAC:
日本を含むアジア太平洋地域の意味で使われるケースが多い。
外資系金融ではHead of APAC がそれぞれの国におけるカントリーヘッドの上にある、組織構成が一般的。
Arbitrage:
裁定取引、主にトレーディングの現場で行われる鞘取りのこと。
例えば同じ債券がシカゴ市場とニューヨーク市場で違う値段で取引されている場合、安い市場で買い、高い市場で売る取引手法。
現実の価格と理論価格に乖離があるケースでも、この取引手法が使われる。
Asia (ex-Japan):
日本を除くアジア太平洋地域の意味で使われる。
Asset:
値段がつけられる金融商品の総称。
Asset Class とは債券、株式といった金融商品の種類を指す。
Associate:
外資系投資銀行におけるジュニアのタイトルで、新卒入社時アナリストタイトルの次のランク。
投資銀行ではAssociateの次、VPタイトル以上から担当顧客責任を有するシニアへの入り口との位置づけのケースが多い。
Basis Point:
0.01%を指し、外資系金融で手数料を話す際に良く使われる。
例えば、トレーディング手数料が40ベーシスポイント(0.4%)のお客。
Bear:
弱気筋を指す。
なぜ熊が弱気を意味するかは諸説があるが、熊が獲物を襲う様子が語源。
熊が四足から立ち上がり、上から下へ攻撃するスタイルが下降相場を連想させる為。
Beauty Contest:
投資銀行数社に競合プレゼンテーションを提案させるコンペ。
Below the Bar:
ディールサイズ、手数料などが各投資銀行の最低基準を下回る案件を指す。
Bond:
債券を指す。
外資系金融で債券部門を指す場合は同義語であるFixed Incomeが使われるのが一般的。
Bulge Bracket:
大手外資系投資銀行を指す。
大手米系投資銀行5社(ゴールドマンサックス、モルガンスタンレー、メリルリンチ、JPモルガン、シティ);
そして大手欧州系投資銀行4社(ドイツ、UBS、クレディスイス、バークレイズ)の各社。
Bull:
強気筋を指す。
なぜ牛が強気を意味するかは諸説があるが、闘牛が戦う様子が語源。
闘牛が下から敵を突き上げる攻撃スタイルが、上昇相場を連想させる為。
Buyside:
投資銀行(証券)がセルサイド。
その顧客であるアセットマネジメント、ヘッジファンド、商業銀行、信託銀行、保険会社などはバイサイド。
外資系投資銀行のトレーダーがバイサイドに行きたいといった発言をする場合は、ヘッジファンドを通常指す
C-level:
CEO, COO, CAO, CIOなどCで始まる会社における役員レベルの役職
Cash Bond / Cash Equity:
債券現物、株式現物を指す。セールス&トレーディングの現場では現物商品担当者とデリバティブ商品担当者に分かれているケースが多い。
CB:
転換社債を指す
Chinese Wall:
投資銀行の部門間、例えばトレーディング部門とM&Aアドバイザリー部門における想像上の壁。
利益相反、インサイダー取引などが生じるのを避ける為の情報非共有化。
Close of Business:
所属部門及び業務により異なり、明確な基準はないが概ね当日のオフィスアワーが終わるまでを指す。
トレーディング部門においてはマーケットが閉まる時間(東京なら午後3時、ニューヨークなら午後4時)、投資銀行部門においては退社まで(例え午前2時であっても)を指すケースが多い。
Co – Head:
特定部門もしくはビジネスラインにおける共同ヘッド。例えば、2名の債券セールスヘッドがそれぞれフロー商品担当とノンフロー商品担当で責任を負うケースなど。
Counter Offer:
退職申し出に対する慰留交渉が、カウンターオファー。
現職より他社オファーを上回る好条件の提示を行う。
Counterparty:
金融取引の相手方を指す。
Country Risk:
特定の国の株式、債券などを投資するに際して考慮する必要のある政治的もしくは経済状況におけるリスク。
CPA:
公認会計士を指す。
CSR:
企業の社会的責任を指し、企業単位でのボランティア活動などが含まれる。
Daimyo Bond:
海外企業が日本国内で円建てで発行する債券。
DCM:
債券の発行業務。
Deal maker:
金融、特にM&Aにおける案件を取ってくる主要プレイヤー。
Derivative:
スワップ、オプションなど現物以外の派生商品を指す。
Director:
外資系投資銀行の職位構成では、部門ヘッドクラスの手前のシニアポジションを指す。
ECM:
株式の発行業務。
Equity:
株式を指す。
ETF:
日経平均、ダウなど特定のインデックスに連動する上場投資信託。
Fund of Funds:
複数の異なる投資信託を組み合わせて組成した投資信託。
Global Markets:
債券、株式など市場商品のセールス&トレーディング業務を行う部署。
Guaranteed Bonus:
転職した年のボーナス金額を契約上保証すること。
Hedge Fund:
相場環境に左右されず利益を出すことを目的としたファンド。
IBD:
投資銀行部門を指す。
Impact Fund:
社会的貢献が見込まれる企業に投資するファンド。
JASDAQ:
国内の新興企業向け証券取引所。
JGB:
日本国債を指す。
KPI:
主要な業績の進捗度を表す指数。
Leverage Finance:
買収先企業を担保に行う融資手法。
Managing Director:
外資系投資銀行の職位構成では、部門ヘッドクラスを指す。
Market Cap:
時価総額を指す。
Market Value:
市場価値を指す。
No load Fund:
販売手数料が無料の投資信託。
Notice Period:
退職予定日までに通知する期間; 1ヵ月が多いが外資系投資銀行VPレベル以上などで3ヵ月を規定する例が増えている。
Operations:
金融事務を行う部署。
Position talk:
トレーダーが自分のポジションに有利なマーケット解釈を話すことを指す。
Product:
外資系投資銀行のマーケット部門内の職種でトレーディング及びストラクチュアリングを指す。
Quants:
定量分析を使ったリサーチもしくは運用手法、職種を広く指す。
Quarter:
四半期を指し、年間をQ1からQ2、Q3、Q4 に分けて業績が発表されることが多い。
REIT:
不動産投資信託を指す。
Repo:
現金担保付き債券トレーディング手法を指し、短期取引が主流。
Sign on Bonus:
入社一時金を指す、外資系投資銀行では今は非常に稀。
Soft Guarantee:
移籍した年のボーナス額を口頭ベースで保証すること。
Transaction Banking:
キャッシュマネジメント、トレードファイナンスなど銀行が行う決済及貿易金融関連業務。
Underperform:
証券会社アナリストが行う銘柄推奨で、売り推奨の銘柄を指す。
VP:
外資系投資銀行の職位構成では、中堅のポジションを指す。
投資銀行ではAssociateの次、担当顧客責任を有するシニアへの入り口との位置づけのケースが多い。
VWAP:
株式のトレーディングで標準的に使われる指標で、出来高加重平均を元にした株価。
White Knight:
敵対的買収を仕掛けられた企業に、友好的な買収を提案する企業を指す。
XW:
ワラントを伴わない、株式を指す。
Yield Curve:
金利曲線、債券のトレーディングで使われる重要指標。
Zero Coupon Bond:
額面より低い価格で販売されているが、利息のつかない割引債。
以上は一般的に良く使われる用語を抜粋しました。
専門分野ごとに上記以外に多くの用語が使われています。
お気軽にお問合せて頂ければ幸いです。