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昇給交渉の仕方とコツ

昇給交渉の仕方とコツ
Submitted by Sayoojya on

仕事には自信がある。チームメンバーやクライアントにも信頼されているし、会社の利益にも貢献している。なのに何年も給与が上がらない、という方はいませんか?

日本式の年功序列型人事制度と違い、一般に外資系企業では勤続年数と給与は連動しないので毎年基本給が上がることはありません。また、近年日系企業でも導入が進んでいるジョブ型雇用も、年齢や経歴に関係なく能力に応じて社員を配置しようというアプローチですから、定期昇給はないと考えてよいでしょう。

外資系企業でも人事考課(パフォーマンスレビュー)の場で会社側から昇給を提示してくれることはあります。しかしそうでない場合は自分からアクションを起こしてもよいのです。

何年か給料が据え置きで、昇進・昇格の道筋も立っていないけれど実力や実績を踏まえてそろそろ給料がアップしてもいいのでは、と感じていらっしゃる方のために、昇給交渉の進め方とコツをまとめました。是非お役立てください。

  1. 自分の市場価値を調べる
  2. ベストなタイミングを見計らう
  3. 実績をまとめる
  4. 希望年収は現実的に設定する
  5. 上司にミーティングを申し込む
  6. 自信を持ってミーティングに臨む
  7. 必要に応じて交渉をする
  8. 終始プロフェッショナルな態度を崩さない
  9. フォローアップする
  10. これまで以上に仕事に励むこと!

1. 自分の市場価値を調べる

自分では給与が低すぎると感じていても、市場の相場と客観的に比較したら違うかもしれません。まずは市場の平均をリサーチしましょう。Morgan McKinleyの職種別平均年収ガイドを使うと業界や専門分野、経験値別の平均給与を簡単に調べることができます。

プロのアドバイス:「市場平均がX百万だから自分の給与も上げてほしい」、というのはあまり効果的な交渉法ではありません。市場平均はあくまで補助的な交渉材料として使いましょう。

今の給与が市場平均を上回っていたとしても諦める必要はありません。その場合は自分にはそれだけの価値があると示すことに注力しましょう。

2. よいタイミングを見計らって

来年度の予算はいつ組まれるのか?昇給が発表されるのは例年何月ごろか?給与アップを願い出るときは、こうしたタイミングを狙うのが得策です。

会社が(あなたの貢献もあって)目標を順調に達成し、来年の予算編成が進んでいるタイミングであれば、それは昇給を切り出す好機です。

3. 実績をまとめる

次に、自分の功績をリストアップしてみてください。裏付けとなる実例やデータは必須です。どのように会社に貢献しましたか?仕事内容や責任範囲はどのように広がりましたか?難しい状況を切り抜けたこと、チームにポジティブな影響を与えたこと、効率化を進めたことなど、幅広く考えてみてください。

プロのアドバイス:お客様からの評価やチームで達成した大きな目標、取りわけ優れたリポートなどがあれば積極的に活用しましょう。

【例】次のように箇条書きにするとさらにわかりやすくなります:

  • Xプロセスの合理化を推進した結果、X業務にかかる時間が20%短縮され、残業が5%減った。
  • 主導したプロジェクトにおいて顧客の期待を上回り、さらに大きな新規案件の発注につながった。
  • チームのジュニアメンバーのスキルアップに取り組み、部署全体としてミスが10%減った。

更に、今後の計画も立てておきましょう。「昇給を認めても元が取れそうだ」と上司が思えるような将来の付加価値を提示するのがポイントです。

4. 希望年収は現実的に設定する

昇給交渉に際して上昇志向は大事ですが、無謀な要求はやめましょう。現在の給与や市場平均を大幅に上回る金額を希望する場合は相応の理由が必要だということを忘れずに。どの程度の年収が妥当なのかを知りたい方は、年収ガイドをどうぞ。

5. 上司にミーティングを申し込む

最適なタイミングを見極めたら、いよいよ上司に相談です。給与についての話であることを簡単に伝え、日時の調整をお願いしましょう。詳細は改めて面と向かって話し合うのが一番です(リモートならweb会議がよいでしょう)。

【メール文例】

お忙しいところ恐縮ですが、一度私のパフォーマンス及び給与についてご相談させていただけないでしょうか。キャリアアップも視野に入れて、助言を頂きたく存じます。

最近の実績をまとめたレポートも作成しましたので、どうかお時間を頂ければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

【メール文例(英語)】

I'd like to request a meeting to discuss my performance and explore the possibility of a pay review. I’ve prepared examples of my recent contributions to our team’s success and look forward to your feedback.

6. 自信を持ってミーティングに臨む

しっかり下準備を行ったら、当日は自信を持ってミーティングに臨みましょう。

ビジネスパーソンとしての節度を保ち、ゆっくり話すこと。客観的な事実を述べ、ポジティブな言葉遣いを心掛けること。更に会社の理念や価値観に合った態度・行動を意識すれば、成功をぐっと引き寄せられるでしょう。

7. 必要であれば交渉をする

上司はすんなり昇給に同意してくれるかもしれませんし、要求通りにはいかないかもしれません。その場合は必要に応じて交渉しましょう。

プロのアドバイス:月給の上乗せが難しい場合は、業績や貢献に応じたボーナス、福利厚生の拡充(例えば住宅手当や家賃補助の増額、有給休暇や在宅勤務日を増やしてもらうなど)、キャリアアップにつながる資格取得補助やコースを受講するための有給を認めてもらう、といった可能性を検討してみては。

柔軟に対応することで、あなたが会社や上司に不満を抱えているのではなく、Win-Winの解決策を探る建設的な議論がしたいのだという姿勢を示すことができます。

8. 終始プロフェッショナルな態度を崩さない

交渉の結果に関わらず、プロフェッショナルな姿勢を崩してはいけません。たとえ昇給のリクエストが通らなかったとしてもそれは会社の事情であり、自分が否定されたと感じるべきではありませんし、上司との関係が悪化するような態度をとるべきではありません。

そうではなく、今回昇給が認められないのは自分に何が足りなかったのか・今後昇給を目指すためにはどのような努力をすべきか、未来につながる具体的なフィードバックを求めましょう。

プロのアドバイス:ミーティングの最後は上司への感謝の言葉を述べられるといいですね。

「今日はお忙しい中お時間を割いてくださり、どうもありがとうございました。貴重なフィードバックを頂き感謝しています。今日話し合った目標を達成して一層会社に貢献できるよう努力を重ね、近い将来、昇給をご検討を頂けるよう、がんばりたいと思います」

9. フォローアップする

昇給が認められなかった場合、実力不足やタイミング、会社の財務状況など様々な原因があるでしょう。いずれにしても、後日再度話し合いたいという気持ちを伝えることをおすすめします。

上司に具体的なフィードバックを求め、測定可能な目標や努力目標を設定しましょう。例えば、「今日話し合った目標に基づき、6か月後にパフォーマンスレビューをしてもらえないでしょうか」と言えばいいのです。

そうすることで自身の成長意欲をアピールし、今日は無理だったとしても、6か月後に昇給を検討してもらうチャンスを手にすることができます。

10. これまで以上に仕事に励むこと!

話し合いが終わった後は交渉の成否を問わず、今まで以上に仕事に精を出す覚悟を決めましょう。

晴れて給与がアップした場合は、認めてくれた上司に後悔させないように努力すべきです。残念ながら交渉がうまく行かなかった場合も、落ち込む必要はありません。自分に何が足りないのか、どんな目標を達成すれば昇給が叶う”のかを上司に聞き、それを達成すればよいのです。

昇給交渉のNG行動

最後に、昇給交渉のNG行動を確認しておきます。次のような行動は避けましょう:

  • 辞めると脅さない:「昇給を認めてくれなければ辞める」といった最後通告は避けましょう。部下=上司の信頼関係にひびが入るだけでなく、最悪の場合本当に会社にいられなくなってしまうかもしれません。
  • 同僚と比較しない:「XXさんよりも一生懸命働いているので、もっと給与をもらって当然だ」というような発言はやめましょう。代わりに自分の業績に焦点を当てること。
  • 私情を挟まない:家計が苦しいなど、家庭やプライベートな事情で昇給を正当化するのはおすすめしません。昇給の根拠は会社と関係のあるものであるべきです。
  • ネガティブな感情を持ち込まない:怒りや不満は交渉が不利になるだけです。冷静かつ建設的に話を進めましょう。
  • 準備を怠らないこと:データ、事例、市場調査などによる裏付けをしっかりとらないと、昇給の根拠が伝わらなかったり、ビジネスパーソンとしての常識を問われるリスクがあります。

勇気を出して願い出てみましょう!

自分で自分の昇給交渉をすることに抵抗がある方も少なくないと思いますが、これも貴重なビジネス経験です。

競合他社のリサーチをし、自分にはその価値があるという証拠を集め、現実的な希望年収を示し、周りをよく見て最適なタイミングで切り出すこと。そして面と向かって話し合い、キャリアアップの準備ができていると自信を持って伝えること。一つ一つのタスクは難しいことではありません。ほんの少し勇気を出して、是非実践してみてください!

給与に対する不満をため込む前に、まずは市場平均を調べてみてください→Morgan McKinleyの職種別年収ガイド