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従業員エンゲージメントを育む7つのステップ

従業員エンゲージメントを育む7つのステップ
Submitted by Sayoojya on

「従業員エンゲージメント」という言葉は経営や人事の世界ではすっかり定着したように思います。しかし本当にエンゲージメントの高い組織を作るためのノウハウはどうでしょうか?

会社の理念に共感し、その実現を自分ごととして捉えて積極的に貢献してくれる社員は成功する企業の必須条件と言っていいでしょう。

従業員エンゲージメントの現状

ですがMorgan McKinleyが世界の働き手3,400人を対象に行った調査では、今後6か月以内に転職を考えている人は47%。今の会社・仕事に対して「無関心」「少し不安」、「非常に不安」を感じているという人は46%に上りました。つまり、働き手の約半数が今の仕事・勤め先にエンゲージメントを感じていない可能性が高いのです。

これは社員の生産性にも大きく関わります。ギャラップ社の2023年版 State of the Global Workplaceレポートによると、エンゲージメントが低かったり、明らかにやる気がない従業員が本来生み出し得た利益は約8.8兆ドル。世界のGDPの9%に相当する、途方もない額です。

働き手もエンゲージメントを求めている

Salary guide data

多くの働き手が今の仕事にエンゲージメントを感じていない一方、次は是非エンゲージできる仕事に就きたいと思っていることも明らかになりました。上の図はMorgan McKinleyの調査で明らかになった、世界の働き手が転職する際に重視する要素です。給与やキャリアパス以外にもやりがいのある仕事、リモートワークの可能性、エンパワーメントを感じられる社風などが挙げられています。

特に日本・中国・香港・シンガポールでは、転職を決めるにあたって仕事のやりがい(エンゲージメント)がエンプロイヤーブランドと並んで重要なファクターであることがわかりました。

つまりエンゲージメントを提供できれば優秀な人材の獲得にもつなげやすい、ということになります。

ではどうすればエンゲージメントが高い会社文化を育てることができるのでしょうか?

従業員エンゲージメントを育む7つのステップ

7 strategies for employee engagement

1. 会社文化を浸透させる

経営会議で決めたミッションや面接で説明した企業文化がただの標語に終わっていませんか?会社文化はオフィスの雰囲気や社員の何気ない言動に表れるものです。しっかり浸透するよう工夫を凝らしましょう。

会社にとってのメリット:企業文化が行動に反映されていると、社員のモチベーションや連帯感が高まります。

2. 成長するチャンスを提供する

社員が新しい知識を身に着けたりスキルを磨く機会を積極的に提供し、チームの成長をサポートしましょう。仕事とは機械的にタスクを処理することではありません。やりがいを感じてほしいなら、社員の才能やポテンシャルを引き出し、新しい扉を一緒に開いてあげるべきです。

会社にとってのメリット:キャリアアップや成長に意欲的なスタッフほど、しっかり定着してくれるようになります。

3. 信頼関係を育てる

信頼は組織をまとめる接着剤のようなもの。信頼関係がなければチームワークは不可能ですし、チームワークがなければそれはバラバラな個の集まりであって、組織ではありません。誠実でオープンなコミュニケーションを通して信頼や帰属意識を育みましょう。

会社にとってのメリット:信頼関係が高まるとチームが助け合うようになり、組織全体の生産性が向上します。

4. 傾聴する

良質なコミュニケーションの鍵は「傾聴」です。「言えば聞いてもらえる」という安心感がなければ社員が自分のアイデアを出したり、悩みを相談することはできないからです。どんな考えや気持ちもすぐに否定せず、まずは聞き役に徹しましょう。社員一人ひとりが傾聴を実践するのが理想です。

会社にとってのメリット:社員が自由に発言できるとエンゲージメントが高まるだけでなく、創造性や問題解決力の向上も期待できます。

5. 雑談できる場をつくる

ウォーターサーバーや給湯室などでのちょっとした雑談は社員同士が仲良くなり、帰属意識を高めるきっかけとなります。

Office informal meeting and friendships

会社にとってのメリット:このような雑談の馬では会議とは違ったアイディアや意見が出てくることもあるので貴重です。

6. フィードバックや提案を促す

フィードバックや提案は社員が積極的に会社とエンゲージしたいと思っている証です。フィードバックの仕組みを設けたり、提案を出しやすい雰囲気作りを心がけましょう。受け入れられるものばかりとは限りませんが、真摯に向き合い続ければやがて好循環が生まれます。

会社にとってのメリット:現場ならではの視点や改善のヒントが見えてくるかもしれません。

7. 努力や貢献を認める

従業員エンゲージメントは自分の努力や貢献が認められるとますます強まります。どのような努力や貢献を認めるかは会社の価値観が問われますが、社内表彰制度のようなオフィシャルなものから、打ち上げランチや「よくやってくれた、ありがとう」という声かけまで、様々なやり方があります。

会社にとってのメリット:努力が認められた社員だけでなく、周囲も刺激を受けるので、会社全体のモチベーション向上につながります。継続的に行うことでやがて会社の利益につながるでしょう。

変化する社員と会社の力関係

会社優位のトップダウンの時代は終わりました。

エンゲージメント、エンパワメント、インクルーシブといったキーワードからもわかる通り、企業は雇用・給与だけではなく、社員が自分らしく、やりがいを感じながら働ける場を提供することが求められています。

背景にはこれまでのやり方でバーンアウトする人が増え企業が疲弊して行ったこと、働き手の意識の変化、またそうしなければ革新的な思考やサービスを生み出し、時代の変化についていくことができないなど様々な事情があるでしょう。

エンゲージメントの高い組織では次のようなことが期待できます:

  • 社員が仕事に打ち込むようになる
  • 社員の生産性が高まる
  • 社員の仕事への満足度が高まる
  • 社員が会社のミッションや文化を自分のこととして捉えるようになる

従業員エンゲージメントは一夜にして育たず

ここでご紹介した方法はすぐに始められる小さなことばかりですが、特効薬のようにすぐきくわけではありません。エンゲージメントは信頼関係や企業文化同様、地道な積み重ねによってしか生まれないからです。

その成果が得られるまでにかかる時間とコスト、労力などを考えると中小企業ではこのような長期的な取り組みよりも短期的な利益を優先したくなることもあるでしょう。ですが社員なくして会社は存続しえません。社員を「資産」ではなく「人件費」として見ているようでは、優秀な人材を定着させることは困難です。

従業員エンゲージメントを優先する余り利益が減るようでは困りますが、エンゲージメントと利益は本来比例関係にあるはずです。そのバランスをうまくとりながら会社文化を育てていけば、社員と会社のつながりが深まるでしょう。

育てるのに時間がかかるからこそ、会社の真の価値が現れますし、景気が変わってもすぐに目減りすることはありません。従業員エンゲージメントは優秀な人材を引きつけ、維持するために不可欠な要素と言えるでしょう。