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従業員エンゲージメントを高め、生産性を向上させる7つの方法

従業員エンゲージメントを高め、生産性を向上させる7つの方法
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企業は優秀な人材を惹きつけ、採用するために大変な努力をしています。しかし入社後はどうでしょうか?せっかく獲得した社員の定着率を上げ、やりがいを持って働いてもらえるような環境づくりに同じくらいの努力を重ねているでしょうか?

苦労して獲得した社員のケアを怠れば、更に高額の年収ややりがいのある仕事、理想的な福利厚生を用意してくれる会社に引き抜かれてしまうのは時間の問題です。

そこで大切になるのが従業員エンゲージメント対策です。

まず従業員エンゲージメントの定義を確認しておきましょう。英語では Employee Engagementといい、日本語では「働きがい」と意訳されることもあります。従業員エンゲージメントとは働き手が会社のことを自分のこととして感じ、進んで会社に貢献したいと思うような状態を指します。

従業員エンゲージメントの重要性を示す三つのデータをご紹介します:

  1. ギャラップ社の State of the Global Workplace: 2023 Reportは、「エンゲージメントを感じていない」または「エンゲージメントを感じてる・感じていないどちらとも言えない」という働き手によって、世界の生産性は8.8兆ドル分の損失を被ったとしています。これは世界のGDPの9%に相当します。
  2. Gartner HR Research によると、今の仕事にエンゲージメントややる気を感じている、仕事をすることでエネルギーが湧く、という働き手はわずか31%だそうです。
  3. Harvard Business Review Analytic Services が最近Quantum Workplaceと共同で行った調査によると「エンゲージメントの高い従業員はより良いパフォーマンスを発揮し、生産性が高い」と強く感じている経営者は81%に上ります。

人材は採用して終わりではありません。入社した社員が生き生きと活躍できる場を創出しなければ、経営はうまくいかないのです。

ではどうすれば従業員エンゲージメントを向上させ、離職率を抑え、社員の生産性を高めることができるのでしょうか?

「お客様に接するように従業員に接する」

会社の商品やサービスにお金を払うお客様は、よく神様にたとえられます。では、お客様に提供する会社の商品やサービスを支えている従業員はどうでしょうか?

社員が一人退社すると様々なコストが発生します。新たな社員の募集・面接・オファ―・研修にかかる費用、穴埋めをするチームメンバーの残業代やつなぎの派遣社員を採用する費用、残された社員のケアにかかる時間と労力。更に社員が競合他社に転職した場合は、そのために発生するオポチュニティロス、ライバル社が得る利益。営業なら顧客を、技術職ならノウハウも持っていかれてしまうかもしれません。

社員を大切にすることは、実は財務的にも理に適っているのです。

エンゲージメントが低い社員は高くつく

では離職率を抑えればいいのかというと、それだけでは足りません。デスクにはいるけれどまじめに仕事をしない社員は更に厄介です。勤務時間中にこっそり転職活動をしているとなれば、会社からすれば給料泥棒でしょう。

必要な知識やスキル、ツールがなくて思うように仕事ができないのか、何らかの理由でやる気をなくしてしまったのか?

リテンション対策は、単に人を辞めさせないだけでなく、一人ひとりが能力を発揮できる環境づくりやモチベーションの維持にも目を向けなければいけません。

従業員エンゲージメントを高め、生産性と定着率を改善する7つの方法

ではどうすれば従業員のエンゲージメントを高めることができるのでしょうか。その鍵は、社員が「自分は大切にされている」と感じてもらうことです。

1.「会社のために何をしてくれるか」ではなく、一人の人間として社員を見る

お客様がただの「財布」ではないように、社員も会社の「固定資産」ではありません。リスペクトに値する一人の人間です。社員や部下がどんな人なのか、関心を持つことからスタートしましょう。

定期的にコミュニケーションをとる機会を作り、在宅の社員とはビデオ会議を設定して、仕事にやりがいを感じているか、困っていることはないかを確認しましょう。

また社員の心身の健康のためにメンタルヘルスサポートを提供したり、マインドフルネス・セッションを実施してみては。フィットネスジム設備や健康的な食生活を促進するウェルネスプログラムに投資するのも有効です。

2.「うちの会社がやっぱり一番!」と社員が思える職場をつくる

商品開発ではお客様のニーズを詳細に分析し、お客様の課題を解決するためにあらゆる技術や知識を動員します。そして商品を市場に送り出した後も改善努力を続け、営業やカスタマーサポ―トスタッフには、一人ひとりのお客様を大切に扱うよう指導しているはずです。

従業員エンゲージメントを高めるためには、「商品」=会社や職場の魅力を磨く努力が必要です。皆が気持ちよく働ける職場、ここならいい仕事ができる、と思える環境を目指しましょう。

また、社員がエンゲージメントを感じるポイントの一つは「自分がおもしろいと思えることを、意義のある形で追求できる」かどうかです。

社員のキャリアプランを作成し、社員が興味を持てるテーマについて学び、学んだことを生かせる場を提供してあげましょう。研修は新入社員だけのためのものではありません。Eラーニングや資格取得支援など、会社としてできることはたくさんあるはずです。

3.トラブルの種を放置しない

サービスに不満だったお客様は、ネガティブな口コミを投稿する可能性があります。会社に不満を持った社員はそこまでパブリックな行動に走ることは滅多に(Glassdoor.comのようなサイトもあるものの)ありませんが、だからといって放置するとやがて人は辞めていきます。

お客様のクレームに対応するように、社員の不満にも真摯に耳を傾けましょう。大抵の人は意味がある良い仕事をしたいと思っており、それをスムーズに達成できないからストレスを抱えているのです。社員が仕事をうまく進められるようなお膳立てをしてあげれば、文字通り win-winの関係が築けます。

The Importance of Employee Engagement

4.感謝の気持ちを形にする

お客様のために様々な割引や優待プログラム、特典を用意している企業は多いと思います。 では、従業員には?

日頃の感謝の気持ちを形にすることでポジティブな雰囲気が生まれます。誕生日や入社記念日といったパーソナルなイベントでもいいですし、個人の目標達成、チームとしての達成事項(大きな契約の受注やプロジェクトの完成など)、その他小さなことでもいいので、さりげない贈り物やお食事会など、目に見える形にしてお祝いしましょう。

また勤務中に健康な食事を取れるような工夫や、オンラインフィットネスのクラスを受講できるようなサポートは社員の心身の健康だけでなく、モラルや生産性の向上にもつながることがわかっています。これは健康増進、ストレス解消に効果があるだけでなく、社員が「大切にされている」と感じるからです。

5.テクノロジーを活用する

チャットボットのようなAIツールを活用して人事の問い合わせ窓口を効率化すれば、人事チームの負担を経験できるだけでなく、ユーザーもすぐに回答を得られるというメリットがあります。

カスタマイズ可能な学習プラットフォームを導入して社員のスキルアップを応援し、一人ひとりのニーズやキャリアプランに合わせたトレーニングを提供することもできるでしょう。

シームレスなコミュニケーション、チームワーク、知識共有を促進し、メンバーとのつながりを感じられるようなコラボレーションツールもたくさんあり、上手に活用すれば従業員エンゲージメントの改善に結びつくはずです。

6.  エンゲージメントが高い人のエネルギーを借りる

社内を見渡して、「この人がいるからこの会社が好きなんだ」という人はいますか?優しい人、面白い人は?問題が起きたときに頼れる人は?あの人みたいになりたい、と周りを奮起させる人は?

こうした「良い意味で逸脱している人」を探して、彼らの影響力が倍加するように仕掛ましょう。昇格させてもいいですし、他の部署と関わるプロジェクトに参加させるのも一案です。

7.よりよい社会を目指す

お客様が商品やサービスを選ぶ際に企業のサステナビリティにも注目し始めているように、働き手の間でも社会や環境に貢献している会社で働きたいという人が増えています。

ボランティア休暇や、社員が好きな慈善団体に一定額を寄付できる制度などを採用する余地はありませんか?病欠日が足りなくて困っている同僚に、自分の傷病休暇を譲渡できるおもしろい制度を作った会社もあります。よい制度ができたら、こうした取り組みを広く知ってもらうために“Great Place to Work”Investors in People Quality Standard などの賞に応募するのも有効です。

リモートワークの従業員エンゲージメント対策

最後に、リモートワークで毎日顔を合わせることができない社員のエンゲージメントをどう高めるかについても考えてみたいと思います。キーワードは「コミュニケーション」「参加」「感謝」です。

まずはリモートワーカーと定期的にコミュニケーションを取ること。チャットプログラムを活用したり、定例ビデオ会議を設定したりして、全員がタスクや方向性を共有できるようにします。画面越しに同僚の顔が見えるので、チームメンバーとしての意識が芽生えます。

また、参加型のイベントを企画してリモートワーカーの帰属意識を育てるのも有効です。他部署との交流を促進したり、バーチャルな「オフィス」飲み会を企画したり、リモートワーカーが課外活動に参加できるオンラインの共有環境を作ってみましょう。オンラインゲームやクイズナイトなどのバーチャル・チームビルディングは、人間関係を強化し、楽しく魅力的な職場環境を作るのに役立ちます。

SlackやTeamsのようなオープンなコミュニケーションチャネルを利用すればリアルタイムでやりとりができ、協働作業やアイディアの共有も可能になります。社員同士が互いにつながりを感じ信頼関係が育まれれば、仕事に対するエンゲージメントも向上するでしょう。

最後に、在宅勤務の社員に対して感謝の意を示すことが大切です。多くの企業がこれを怠っていますが、「あなたを大切にしていますよ」というメッセージを送るには感謝を形にするのが最も直接的な方法であり、エンゲージメントに大きく寄与します。

完了したタスクに対して「ありがとう」「助かったよ」など感謝の言葉をかけることはもちろん、リモートワークに関するガイドラインや期待値を明確に示し、従業員をしっかりサポートすることも大切です。スケジュールに柔軟性を認め、ワークライフ・バランスを管理しやすくすることも仕事の満足度を高めるのに役立ちます。仕事の記念日や誕生日にギフトを送ったり、自宅の作業環境の改善の補助を通しても感謝の意を伝えることができます。

従業員エンゲージメント向上のために実施できる方法は多岐にわたりますが、どれも一貫して「社員を人間として尊重し、感謝の気持ちを忘れないこと」が重要です。これを実践し続けることで、従業員は企業に対して深い忠誠心を持ち、さらなる成果を上げることができるでしょう。エンゲージメントが高い職場は、企業にとっての最大の資産です。社員を大切にする取り組みを進め、企業全体のエネルギーを一層高めていきましょう。