リモートでチームビルディングを行う11のアイディア
コロナ禍では一気に広がった在宅勤務は、今後も一つの働き方として残るでしょう。新常態においては、リモートチームビルディングは中長期的に避けて通れない課題になりそうです。
コロナショックを吸収するのに手一杯で、チームビルディングどころじゃないよ…そんな声が聞こえてきそうですが、よい時もわるい時も「人」という観点から様々な企業を見てきた Morgan McKinleyとして申し上げたいことは、不況や危機、苦しい時こそ社員やお互いへの気配りが何よりも大切だということです。
ビジネスを支えるのはお金でも技術でも設備でもなく、人材です。最近のブログではウェルビーイング対策や会社のカルチャーの醸成、従業員エンゲージメント向上のポイント、在宅勤務のサポートなど、「会社が社員のためにできることは何か?」というテーマについて考えてきました。
コロナ禍では一気に広がった在宅勤務は、今後も一つの働き方として残るでしょう。遠隔でもチームワークを発揮できる組織作りはコロナを乗り切るためだけでなく、中長期的に必ず取り組まなければならない課題ということになりそうです。
そこで今回は「リモート・チームビルディング」を取り上げたいと思います。
リモート・チームビルディングとは?
リモート・チームビルディングとは、離れた場所で働く社員が互いに信頼関係を築くための仕掛けや取り組みです。どこにいても一丸となってがんばってくれるチームがいれば、会社にとっても大きな資産となります。
リモート・チームビルディングをしないリスク
メンバー同士のつながりが希薄だと…
- 困ったときにヘルプを求められずメンバーが成長しない
- 作業をばらばらに進めてしまい非効率
- それぞれの個性を生かしたコラボレーションができない
- メンバーが孤独を感じてしまう
といったリスクがあります。特に会社のサポートが得られていないという孤独感は、離職・転職にもつながるネガティブな心理状態です。
リモートワークで社員同士の交流を促進するのは会社・上司の務め
毎日出社して仕事をする場合、社員は平均して週に40時間くらい(人によってはもっと長く)お互いに顔を合わせています。
このような環境では自ずと共同体意識が生まれます。
リモート・チームビルディングでは会社がより積極的な役割を果たさなければいけません。皆が参加できる時間帯にスケジューリングし、内容もしっかり企画する必要があります。
どんなアクティビティがいいか、アイディアを出す段階ではチームに主体となってもらってもいいでしょう。あまり難しく考える必要はありません。いい考えが浮かばなければ、他のチームにアイディアを求めたっていいのです。
リモートで働くチームの連帯感を強める11のアクティビティ例
それでは、実際にどんなアクティビティが考えられるか、いくつかアイディアをご紹介したいと思います。
1.「バーチャルオフィス」をつくる :
他愛のない雑談や世間話はチームビルディングにおいて非常に重要な役割を果たしています。そこで役に立つのが「バーチャルオフィス」です。
作り方は簡単。
全員がカメラをONにするだけ。これで、ウェブ上でオフィス環境を再現します。
何も話す必要はないけれど、何か聞きたいときは会社にいるときと同じように「ちょっといいですか」と切り出せるので便利です。
初めはずっとカメラに写っていることに違和感を覚えるかもしれませんが、会社にいれば常に人の目があるのと同じだと思えば、さほど突飛なアイディアでもないことがおわかりいただけると思います。
BGMを共有するのもいいですね。音楽好きのメンバーがいれば、プレイリストをシェアしてもらっては?
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いつもと違う音楽が聞けて気分転換になるだけでなく、好きな曲を「いいね」してチャットが始まったり、ちょっとした交流のきっかけになります。
2. バーチャルブレイク・バーチャルランチ:
会社の休憩エリアで雑談したりやスタバにコーヒーを買いに行くときのような雰囲気を作れないか、という発想です。
時間を決め、参加者にカメラをONにしてもらって一緒に休憩をします。
ホストとして気を付けたいのは、明るいニュースやポジティブな話題を心がけることです。例えば…
- 「〇〇さんが作ってくれた資料が、とてもわかりやすいとクライアントに好評でした」
- 「〇〇さんのお部屋の観葉植物、素敵ですね」
- 「コーヒーをもっと美味しく淹れたいんですが、みんなどうやってますか?」
- 「この間ス―パーで、こんなおもしろいことが…」
- 「今エクセルで✕✕の作業をしているのですが、もっと効率的なやり方はあると思いますか?」
プライベートの話でもいいですし、仕事上の小さな成功体験があったらどんどん共有します。嬉しかったことを喜び合えると、チームにも非常によい効果をもたらします。
また、悩みをみんなの知恵やアイディアで解決するのも、とてもいいと思います。
3.「ホームオフィス拝見」ツアー:
チームが順番に「ホームオフィス」を紹介する、というアイディアです。例えば
- テレワーク便利グッズの紹介
- 息抜きの方法
- 愛犬や子どもの紹介
- 気に入っているインテリア
- 手軽に作れる、ランチや軽食のレシピ
などなど。
こどもが仕事部屋に乱入…というシチュエーションも逆手にとって、みんながほっと一息つく仕掛けにしてしまいましょう。小さなお子さんを持つ部下も気が楽になるはずです。
4. ウェブ・イベントの開催:
会社イベントは社員同士がコミュニケーションをとる絶好の場。リアルで実施できないからといって、中止する必要はありません。
準備や予算が必要になりますが、イベントはやはり特別感があります。例えば…
- IT勉強会
- リモートの料理教室
- オンライン・ヨガ教室
- 日本酒やワインのオンライン・テイスティング(申し込むと利き酒セットを郵送してくれるサービスを利用すれば手配は簡単です)
オンラインならではのイベントも登場しているので、是非チャレンジしてみては。
5. 読書クラブや映画ファンクラブの企画:
読書好きや、映画やテレビドラマのファンが多いチームはありませんか。趣味ベースのチームビルディングなら、参加者が楽しんでくれるはずです。
読書や映画鑑賞のいいところはコミュニケーションを図れるだけでなく、クリティカルシンキングやディスカッションの練習にもなること。スキルアップにもなってまさに一石二鳥のアクティビティと言えるでしょう。
クラブを引っ張ってくれる適材がいない場合、手始めにこんな課題図書/映画はいかがですか?
- 『テレワークの教科書』2010年から多様な働き方を追求してきた、サイボウズ株式会社がまとめた、リアルなノウハウ
- 『武漢日記』新型コロナウイルスで完全封鎖された武漢在住の作家がつづったブログです
- 『帳簿の世界史』メディチ家、スペイン帝国、フランス革命、アメリカ独立戦争…歴史の舞台裏で、会計士たちはどうそろばんをはじいていたのか?
- 『流浪の月』2020年の本屋大賞受賞作
- 『アライバル』まとまった読書の時間がとれなければ、こんな絵本はいかがでしょうか
- 『ノマドランド』アカデミー賞を3部門受賞した話題作!
- 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』バンカー必見、ウォール街のリアルな日常。
6. オンラインで褒める:
人間には常に他者にリスペクトされたいという欲求があり、社員の働きを認めるのは従業員エンゲージメントの基本です。定着率の改善にもつながります。
対面でコミュニケーションをとる機会が少ないからと、部下を褒めることが疎かになっていませんか?
オンラインならではの褒め方も、色々と工夫してみてください。
- チャットやメールで、その場で褒める
- 特別感を出したいなら電話で褒める
- チームの会議で褒める
- イントラネットや社内掲示板など、他の社員からも見えるところに書き込む
- メンバー同士も、褒め合うよう促す
- スターバックスやアマゾンのギフト券など、ちょっとしたお礼を送る
7. ゲーム感覚で競争を取り入れる:
負けるのが好きな人はいません。「負けたくない」というだけで十分なモチベーションになります。これを利用して、部署をグループに分けて競わせてみては。
目的はチームビルディングなので、仕事に関係のないものでもOKです。例えば…
などなど。
優勝チームの表彰も忘れずに!
8. 「アイスブレーカーゲーム」
ジェスチャーゲームのような遊びはチームビルディングの王道です。「無人島に取り残されたら…」というようなシチュエーション系のゲームもおすすめです。
- 定番・雑学クイズ大会
- 無人島ゲーム:事前にアイテムリストを用意し、チームごとに回答を発表してもらいます
- 「これは誰の子ども時代でしょう?」クイズ
- 「思い出の写真」のプレゼン:各自写真を一枚選び、エピソードを披露し合う
- ピクショナリー:カードにかかれた内緒のお題を、絵だけで表現して当ててもらうゲームです
9.「仲良し」以外の同僚と話すきっかけを作る
チームで気の合う仲間ができるのはとても自然なことですが、せっかくなのでそれ以外のメンバーとも交流する機会を設けては?
社内でランダムにペアを作り、毎日5分ずつ、ペアの人とチャットをしてもらいます。一週間たったら、ペアを交代します。
意外な人と仲良くなれるかもしれませんし、他の部署と共同でやれば、違う部署のことを知るきっかけにもなりそうです。
10. リモートワークをしている社員に差し入れを送る:
孤独感に苛まれているかもしれないときに、人からプレゼントが届いたら嬉しいですよね。高価なものである必要はありません。
- 会社のロゴ入りのグッズ
- コーヒー
- お茶菓子
- 付箋やボールペンといった文具など
「誰か(会社)が気にかけてくれている」と感じてもらうことができれば、ウェルビーイングの向上に一役買ってくれるはずです。
11. 金曜日のプチ・打ち上げ:
やっと金曜日!という開放感は、社会人なら誰しも覚えがあるでしょう。
金曜日の街に繰り出すあの感じ…そっくりそのままとはいかなくても、「今週も頑張ったね!」という達成感をチームで共有することは非常に有意義です。
金曜日の5時には自由参加の「ブレイクミーティング」を設け、アルコールOKでめいめいおしゃべりができるような仕組みを作ってはどうでしょうか。
チームビルディング・アクティビティの効果測定
リモート・チームビルディングの肝は、楽しい体験を共有することです。ノリが悪いなと感じたら、軌道修正が必要かもしれません。
見るべきポイントは
- 社員が前よりも楽しそうか
- やる気がアップしているか
- チームのコミュニケーションが以前よりもうまくいっているか
といった点です。
明確に数値化するのは難しいですが、部下のフィードバックも集めて次回に生かしましょう。
危機は絆を強めるとも言われています。パンデミック終息時には、前よりも強いチームになっていたらいいですね。
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