日本で成長を続けるフィンテック
近年日本のフィンテックは目覚ましい発展を遂げています。新たな規制緩和と政府の促進策の後押しを受けて、今後は更に躍進することでしょう。
これまでアジアにおけるフィンテックの中心地はシンガポール(※英文のみ)だと言われてきましたが、日本の発展についてもまとめてみました。
フィンテックの定義
様々な金融機関、テクノロジー会社が次々と参入を表明しているフィンテック。メディアなどでも耳にする機会が増えましたね。
フィンテック(Fintech)とは ”Financial Technology”の略で、直訳すると「金融テクノロジー」ということになります。具体的には金融サービスを提供するためのソフトウェアや先端技術、またはそうしたサービスを提供する企業を言います。
“テクノロジーはこの10年で目覚ましい発展を遂げ、そのおかげで様々な業界が活気づいています”
日本の当局は、フィンテックにおいては意外なほど積極的な姿勢を示しており、ヨーロッパやアメリカよりも革新的なベンチャーを立ち上げられるようなエコシステムを構築しようとしています。
2019年現在、多くのフィンテック企業は資産運用から融資、支払・決済サービスや各種金融商品の提供まで、一社で全ての金融サービスが完結するような「ワンストップ・サービス」を目指して伝統的な金融機関と直接競合しています。日本の銀行や証券会社は規模が大きく様々な規制の縛りもあるため、フィンテック系ベンチャーのイノベーションのスピードになかなかついていくことができません。特に窓口に並んで担当者に相談しなくても簡単に銀行取引ができるデジタル金融は、80年代・90年代生まれのミレニアル世代から支持を集めています。
フィンテック・ソリューションのタイプ
ひと口にフィンテック・ソリューションといっても様々な種類があります。例えば決済、融資、データアナリティクス、暗号資産、エンタプライズマネジメントシステム、クラウドファンディング、トレーディング、資産運用、クラウド、ブロックチェーンなどがあげられます。もっとニッチで小規模なものもたくさんあります。
現在熱いのは:
- 決済ソリューション:参入企業が多く、大手金融機関も類似したサービスを提供しているため非常に競争が激しい分野です。フィンテックで最も大きなサブセクターの一つです。
- 融資サービス:P2Pレンディング。デジタルプラットホームを介して、借り手と貸し手を結び付ける仕組みです。貸し手は預金や一般的な投資よりも高いリターンを得ることができ、借り手は銀行などよりも低い利率でお金を借りることができるのが特長です。
- ブロックチェーン&AI:新技術を活用した市場取引などの新世代金融サービスです。
リスクの種類
変革のスピードが速いため、フィンテックは常に新たなリスクと向き合っています。例えば、高速の国際取引はフィンテックの強力な武器の一つですが、スピードに見合った強固なリスク管理が求められます。フィンテックの世界で特に重要とされているのは以下のリスクです。
- 詐欺・不正のリスク
- マーチャントリスク
- レギュラトリーリスク
- AML、テロ資金供与のリスク
- コンシューマーリスク
- サイバーセキュリティ、データ保護
- 信用リスク、オペリスク
- アウトソーシング・リスク
リスクマネジメントはフィンテックの要です。次々と登場する新たな技術に対して実に多種多様なリスクや脅威があり、企業だけでなく政府や当局にとってもリスク管理の在り方が大きな課題になっています。
フィンテックにおける人材確保の課題
発展途上の分野だけに、優秀なリスク人材を確保するのは至難の業です。特にアジアではタレントプールが小さく、人材の採用は困難を極めています。こうした場合には、リスクの素養があるジュニア人材を採用し育てるというやり方があります。実際にこの方法で成功を収めている企業もあります。しかし、これは時間のかかるアプローチのため、企業規模によってはそこまで待つ余裕がない場合もあるでしょう。
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