ヘッドハンターの効果的な使い方
今まで転職を経験された方も、まだ経験されていない方も一度はヘッドハンターという言葉を耳にされたことがあるかと存じます。今回はヘッドハンターとの上手な付き合い方をお伝えします。是非ご一読いただき、今後の転職活動にお役立てください。
ヘッドハンターはマーケット情報を得られるツール
投資銀行などの職場では、 ヘッドハンティングの電話がかかってきます。電話がかかってきたら会うことをお勧めします。
ヘッドハンターと会う=転職することではありません。
マーケット情報交換の場として使えます。
コーヒーでも飲みながら、最新のマーケットの動きが聞ける。
例えば:
- 求人情報、報酬水準、キャリアパスに関しての事例など
- カジュアルな形で使える情報を得るツールとして利用可能
なぜヘッドハンターは個人の名前を知っているのか。それはマーケットにおけるリサーチを行っているからです。各社の組織構成、個人名、 タイトル、カバーしているプロダクト及びクライアントまで調査を行います。良いヘッドハンターの売りはリサーチ力です。
例えば、 弊社ではマーケットマッピングを行っています。マーケットマッピングとは、一般的には、競合他社の構造を分析することを指します。弊社の特徴は個人の職歴までリサーチし、マーケットで評判の良いプロフェッショナルにお声がけします。
用語に関して
ヘッドハンター:
人材紹介会社には農耕民族と狩猟民族があります。
農耕民族は登録制とも呼ばれるとおり、自社ホームページ、求人情報ポータル、SNSなどから応募をしてきた候補者のみが対象。
狩猟民族、もしくはヘッドハンターは、上記に加えて積極的にマーケットにいる候補者にアプローチを行う。
マーケット情報交換:
インフォーマルな形での面談。履歴書持参、候補者としての登録など必要ありません。
クライアントと候補者の面接でも、この形で行われるケースも有。例えば、ホテルなど中立の場所での面談設定など。
マーケットマッピング:
マーケットマッピングとは聞きなれない言葉かも知れません。一般的には、競合他社の構造を分析することを意味する。もしくは業界におけるプレイヤー(会社もしくは個人)を特定すること。
このコンセプト自体は、金融業界に限らずどの業界にも当てはまる。
専門性によりヘッドハンターを使い分ける
当方の担当は金融フロントオフィスです。
専門は債券部門(セールス、トレーディング及びリサーチ)及びプリンシパルインベストメント(PE&ヘッジファンド)で、専門家としてのアドバイスを提供。当方のチーム内には、エクイティ部門、投資銀行部門(IBD)、そしてコーポレイトバンキング部門;それぞれ専門のヘッドハンターが情報を提供いたします。
弊社には他にアセットマネジメント(投信投資顧問及びプライベートバンク)専門のチーム、そして投資銀行ミドルオフィス&バックオフィス専門のチームがあります。
専門性がなぜ重要か?
どんなに優秀なヘッドハンターでも、金融の全分野をカバーすることは不可能です。
餅は餅屋にまかせるのが一番!
希望する職種によってヘッドハンターを使い分けるのがもっとも効果的と言えます。
用語に関して
金融フロントオフィス:
基本的には収益部門を指す。
投資銀行のケースではマーケット部門におけるセールス、トレーディング、ストラクチュアリング、リサーチなどの職種。もしくは投資銀行部門におけるカバレッジバンカー、M&A、ECM, DCM など資本市場業務における職種。
プリンシパルインベストメント:
ここでは投資銀行における自己勘定での投資を指す。
マーチャントバンキング部門、スペシャルシチュエーション部門などが分類される。エクイティ部門における自己勘定のプロップトレーダーは含まれない。
PE&ヘッジファンド :
PEはプライベートエクイティの略。
一般的には未上場の成長株に投資するベンチャーキャピタルではなく、マネジメントバイアウトを支援する、バイアウトファンドを指す。
ヘッジファンド内に多数の職種はあるが、ここではPM及びインベストメントアナリストを指す。
現時点の採用動向は、日本株ロングショートエクイティファンドに集中している。
コーポレイトバンキング:
法人向けの商業銀行業務を指す。
代表的なビジネスとして、以下の分野が挙げられる。
- トランザクションバンキング(トレードファイナンス及びキャッシュマネジメント)
- ストラクチャード&プロジェクトファイナンス
投資銀行ミドルオフィス&バックオフィス:
投資銀行における基本的には非収益部門。
代表的な部門として、次の分野が挙げられる:コンプライアンス、リスク、ファイナンス、オペレーション、アドミニストレーション
英文CVのアドバイスが得られる
ヘッドハンターは常にクライアントと接しています。人事に加えて、現場部門と直接のやりとりをすることも多々あります。外資系投資銀行、PEなどは現場部門が書類選考を行うケースが多いのが特徴です。忙しい担当者にアピールできる英文CVを書けるかが勝負となります。
優秀な実績を持っているプロフェッショナルでも、書類選考での当落は英文CVの書き方に左右されます。いかに簡潔にわかりやすくまとめるか、応募ポジションに対する自身の実績及び貢献できる点が書かれているかを確認する必要があります。ヘッドハンターの客観的なアドバイスは利用価値大です。
用語に関して
英文CV:
英文による日本語履歴書と日本語職務経歴書をあわせたもの。
英文CVの基本的な記載事項の順番は:
- 本人の名前
- 自宅住所
- 自宅Eメールアドレス及び個人の携帯番号
- 学歴
- 勤務経験のある会社を現在勤務先を一番最初、以下新しい順で
- 信頼できるヘッドハンターを選ぶこと
業界知識 や選考方法、英文CVに詳しいなどはヘッドハンターを使う上でのポイントとなります。ではヘッドハンターの効果的な使い方の最大のポイントは?
自分自身が信頼できるヘッドハンターを見つけること。言い換えること、ヘッドハンターとしての倫理を守れる信用できる人を使うことが重要です。
逆説的ですが信用できないヘッドハンターの例として、候補者に(から):
- 会うということを他言
- 聞いた情報に関して他言
- 許可無く頂いたCVをクライアントに送付
- どこと面接している(した)との情報に関して他言
用語に関して
信頼できるヘッドハンター:
金融の世界では多くのヘッドハンターが活躍中。多くのヘッドハンターから誰を選ぶか、迷う方もいらっしゃるでしょう。そもそもヘッドハンターが、信用できる存在か不安な方も多いかも知れません。
では、信頼できるヘッドハンターの基準とは?専門性と守秘義務、が私の基準。
ヘッドハンターとしての倫理:
- お会いすることを、他言いたしません
- お会いして、聞いた情報を許可なく開示いたしません
- 許可がない限り、頂いたCVを送付致しません
- 面接状況を、他言いたしません
以上が、私が守っているヘッドハンターとしての倫理です。
最後に
初めて会う方は、私を信用していいものかと不安に感じる方も少なくないと思います。いかに信頼をして頂くかを課題に精進していますが、特に守秘義務の遵守を念頭においています。
長期的な観点で、キャリアパートナーとしてお役に立てれば幸いです。