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PEファンドの選考方法

PEファンドの選考方法
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投資銀行及び戦略コンサルタントの転職先として引き続き高い人気を誇るPEファンド。特にグローバルファンドは狭き門です。競争率が非常に高いことは知られていますが、独特な選考方法に関してはあまり知られていません。

公募例は殆ど無く、投資銀行や銀行と比べて求人数は非常に限定的。そんなPEファンドの採用募集要項、そして選考方法を見ていきたいと思います。

募集要項

日本国内のPEファンド各社は日系・外資系ともに少数精鋭で、原則として新卒採用を行っていません。

投資銀行もしくは戦略コンサルタントを経験後、中途採用による入社が王道。PEファンド各社の採用ニーズに応じた募集要項の理解が成功の鍵です。

PEファンドの求人の大半を占めるジュニアの採用においては:

  • モデリング及びエクスキューション担当募集が圧倒的に多い
  • 王道は「新卒で外資系投資銀行IBD( M&Aが望ましい)入社⇒3年から5年勤務⇒2社目にPEへAssociate 待遇で入社)」というキャリアパス
  • MBA取得後にPEに転じる人も

投資先バリューアップ担当の案件で求められるのは次のポイントです:

  • 戦略コンサルティングにおける3年以上の経験(必須)
  • M&A関連プロジェクトのコンサルティング実績(あれば尚可)

募集要項例

典型的な求人を見ていきましょう(アソシエイト、VPなどの役職がわからない方は外資系金融の業界用語集をどうぞ)。

アソシエイト1年目、東京勤務

  • バイアウトファンドにおけるモデリング及びエクスキューション担当
  • 投資銀行における2年以上のM&A経験必須
  • LBOモデリング知識必須
  • 母国語レベルの日本語及びビジネスレベルの英語力必須

アソシエイトからVP、東京勤務

  • バイアウトファンドにおけるモデリング及びエクスキューション担当
  • 投資銀行もしくは監査法人におけるM&A経験、もしくはバイアウトファンドにおける経験必須
  • 母国語レベルの日本語必須、ビジネスレベルの英語力が望ましい

アソシエイトからVP、東京勤務

  • バイアウトファンドにおける投資先バリューアップ担当
  • 戦略コンサルティングにおける3年以上の経験必須
  • M&A関連プロジェクトのコンサルティング実績があることが望ましい  
  • 母国語レベルの日本語及びビジネスレベルの英語力必須

選考方法:

各社により面接の流れは異なりますが、最低5回から6回程度の面接が想定されます。

選考にかかる期間も長く、2か月から3ヶ月かかるケースも。

グローバルファンドでは、海外拠点のメンバーとの面接が含まれるケースも多いです。シニアメンバー来日時に対面で面接をしたり、他の海外拠点のメンバーらとのビデオ会議や電話会議などをセットアップしたりします。

国内系では、大手といわれるファンドでも在籍している投資プロフェッショナルは20名程度。少数精鋭のため、採用には時間と労力をかけて慎重に臨むファンドが主流。定性分析、定量分析のスキルに加えて人間性も選考の対象と考えられています。ジュニア~シニアメンバーとの面接(複数回)、ケーススタディ(状況面接)、ディナーなどを通して選考が進められます。

面接の手順:

ボトムアップ型かトップダウン型に分類できます。

ボトムアップ型は、シニアアソシエイトもしくはVPクラスのジュニアからシニアに選考が進むスタイル。

トップダウン型は、マネージングディレクターなどシニアからジュニアに選考が進むスタイルです。

面接で聞かれる点:

経歴及び経験に関しては書類でスクリーニング済みのため(外資系金融の英文CV対策はこちら)、相性や志望動機、定性面に注目する面接スタイルが主流です。

ケーススタディ:

モデリングテストともいわれ、財務モデル(基本はLBO)作成能力が試されます。その上で更に、レポート作成とプレゼンテーションを課すファンドも多いです。

コーポレイトファイナンステスト:

ケーススタディとは別に、コーポレイトファイナンスの知識を問うテストを行うファンドもあります。お題が与えられ、特定の投資に関するプレスリリースを作成するという形式もありました。

ファンドによる実際のケーススタディ例

  • ファンドに来社、エクセルにてLBOモデルを所定時間内に作成;その後Q&Aセッション
  • ファンドに来社、口頭ベースで投資アイディアの考え方を試す
  • ファンドが指定した上場企業を分析するという課題が金曜日に与えられ、月曜に英文3ページ程の投資コミッティー向け投資分析資料を提出
  • 候補者が選択した上場企業について、エクセルによる財務モデルとプレゼンテーション資料を作成(1週間程度)、翌週にファンドに来社してプレゼン及びQ&Aセッション

外資系ファンドによる面接の流れ想定例

一次面接:マネージングディレクター

  • マネージングディレクター がフランクに、率直に会社の話をします。
  • 入社後の仕事の厳しさを含めたリアルな印象を持ってもらうことが目的。
  • 候補者自身の考えているキャリアに近い仕事かどうかを、お互いに確認します。
  • 面接時間:1時間

二次面接:モデリングテスト , VP

  • 実際にエクセルを使ってのテスト、LBOのモデリング
  • 面接時間:3時間

三次面接:  通常面接及びコーポレイトファイナンステスト、 ディレクター

  • ディレクターが和やかな形で、面接をリードします。
  • 候補者からのアピールを聞き、質問に答えるのが主な内容
  • 面接終了後に、筆記試験(PCが提供されます)
  • 面接時間:1時間45分

四次面接:海外拠点のマネージングディレクター

  • ビデオ会議ではなく、来日時に対面で行うケースが多いです。
  • 面接時間:1時間

五次面接:チームメンバーとのディナー  

  • お互いに一緒に働くイメージを持てるかの確認が最大の目的。
  • 面接時間:3時間

PE及びヘッジファンドに多いバックグラウンド

投資銀行業務(IBD)出身

  • PEにおいては主流派。
  • IBDを通じた得たスキルがPEで使用されるLBOモデリングへの汎用性が高く、案件のエクスキューション能力に関して、即戦力として採用されるケースが多い。
  • PEへの転職ではジュニアポジション及びシニアポジションでの移籍が可能。

           
戦略コンサルタント出身

  • 投資銀行業務(IBD)出身に準ずる主流派を形成。
  • 戦略コンサルタントを通じた得たスキルがPEにおけるバリューアップ業務への汎用性が高く、企業価値向上案の立案能力に関して、即戦力として採用されるケースが多い。
  • PEへの転職ではジュニアポジション及びシニアポジションでの移籍が可能。

           
エクイティリサーチ出身

  • PEにおいては少数派で、移籍例は限定的。
  • エクイティリサーチを通じた得られる財務分析力とPEで使用されるLBOモデリングは異なるため、高い評価を得られないケースが多い。

その他

  • 投資銀行スペシャルシチュエーション部門及び商社出身が一定数いる。
  • 投資銀行スペシャルシチュエーション(マーチャントバンキング)における自己勘定取引経験者は;扱った商品及び経験レベルによりますが投資業務経験が評価される。
  • 商社における事業投資経験者も同様。

いかがでしたか。狭き門ではありますが、PEは投資先の経営に直接関与し、その成長に貢献できる魅力的な仕事です。

当社ではPE に特化したキャリアアドバイスを提供しています。各社の投資実績及び投資スタイル、ターゲット候補者像(投資銀行出身もしくは戦略コンサルタント出身かなど)も具体的に把握し、皆様の転職活動をサポートいたします。

もちろん採用担当者名及びバックグラウンド、想定される基本給のレンジ、そしてボーナスの水準についてもご案内可能です。

PEファンドへの転職をお考えの方はお気軽にお問い合わせ下さい

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