中途採用の候補者が選考・内定を辞退する理由:トップ5
採用は様々なプレッシャーとの戦いです。早く人を増やしてほしいという現場のプレッシャー、人材難の労働市場で(予算内の)候補者を探すプレッシャー、間違った人を採用してしまったらどうしようというプレッシャー。
このような厳しい状況において、採用がうまくいっていない企業が多いように感じます。
”この6か月以内に欲しい人材を逃したことがある採用担当者の割合は70%”
-Morgan Mckinley Global Workforce Survey 2023
これは最近 Morgan McKinley が全世界の拠点で行った採用市場動向調査でわかったことです。3,400人以上の働き手と600社以上の企業から回答を得ました。
売り手市場はかねてより指摘されているところですが、そもそも候補者はなぜ、選考やオファーを辞退するのでしょうか?求職者側に行った調査結果をご紹介します。
【中途採用の候補者が選考・内定を辞退する理由】
#1 オファーされた給与が低い
働き手が転職を決意する大きな理由の一つは、給与や収入の改善です。候補者の期待や、最低限でも業界水準に合ったオファーを提示しなければ、候補者は転職をする意味がありません。ましてや優秀な人材は引く手あまたです。
予算の制限があったり、自社の給与体系と合わなかったり、難しい決断を迫られることもあるでしょう。ですが市場平均を踏まえた金額を提示しなければ人材確保にこぎつけることは難しいのが現実です。
#2 面接官や採用担当者の対応がプロフェッショナルでなかった
面接官は会社の顔です。面接官がレジュメをきちんと読んでいなかったり、過去の面接官と情報を共有できていなかったり、仕事内容や会社の魅力をきちんと説明できていなかったりすると会社の印象は大きく傷つきます。
面接官の研修を強化し、面接官の対応が採用成功に直結するという意識を徹底しましょう。
#3 柔軟な働き方ができない・勤務地が遠い
ワークライフバランスを重視する人が増えており、柔軟な勤務制度や勤務地は「あったら嬉しい」条件から「ないと辞退する」条件に変容しています。
社員はどんな働き方を望んでいるのかを把握し、それを実現できるような勤務制度を整えるべきでしょう。他社よりも柔軟な勤務制度は競争力になります。
#4 仕事内容が曖昧
どんなタスクや成果が求められているのかがよくわからないまま応募したり、入社を決める人はあまりいません。
採用を始める前にジョブディスクリプションを決め、担当業務、必要な資格、期待される役割などを明記した求人票を作成しましょう。応募資格を満たさない人からの応募を減らし書類選考の負担を軽減できる、期待される仕事を応募者がイメージしやすいというメリットもあります。
#5 面接回数が多い、意思決定が遅い
選考が長引けば長引くほど、候補者のフラストレーションが溜まります。やる気が萎えるだけでなく、貴重な候補者をその間に他社にとられてしまうというリスクがあります。
面接の回数は業界や職種によって差があります。マネージャー以上の採用では3~5回くらい行っても構いませんが、スタッフレベルではもっと短縮できるはずです。
採用面接はスマートに決めましょう。そのためには事前準備が大切です。無駄なく時間を使えるよう、どの面接で何を評価するのかを戦略的に決めるべきです。一回の面接で多角的に評価を行えるよう、パネル面接を導入するなどの工夫を取り入れるのもよいでしょう。
更に採用成功率を上げるために:選考のフィードバックはタイムリーに行いましょう。候補者とのコミュニケーションの質はオファー受諾率に直結します。なかなか返事が来ない、進捗がない状態が続くと候補者は不安になり、他社を検討した方がいいのかな、と考え始めるからです。
いかがでしょうか。候補者は様々な点を見て企業を評価しています。売り手市場でも、採用予算が限られていても、選考プロセスを最適化することで採用成功率を上げることはできます。ここからは、更に効果的に採用を進めるためのヒントをご紹介します。
エンプロイヤー・ブランディングの強化
エンプロイヤーブランディング(employer branding)とは、魅力的な職場としてのブランド力を磨くことです。候補者の惹きつけはもちろん、採用プロセスにおいても非常に重要な役割を果たします。
Morgan McKinleyでは、候補者が応募を検討する時にどのように企業をリサーチしているかについても訊ねてみました。最もポピュラーな方法は次の3つです:
- 企業ウェブサイトをチェックする
- 第三者が書いたレビューを読む
- その企業で働いている知り合いに聞く
このようなプラットフォームにおいて自社の魅力を発信すれば、潜在的な候補者の目に留まりやすくなります。例えば社員にLinkedInなどで投稿を促してみては。リアルな声は何よりも強力です。どんな雰囲気の会社なのかを想像できれば、働いてみたい、と思ってもらいやすくなるでしょう。
採用プロセスにおけるテクノロジーやAIの活用
AIは日々進化しています。最近の採用AIは単なるプロセス効率化ツールではありません。しかし、今回の調査に回答した企業のうち、採用プロセスでAIやオートメーションを使用していると答えた企業はわずか7%にすぎませんでした。これらのツールを早期に導入すれば、競合の一歩先を行くことができます。
一方、採用AIを導入していると回答した企業では、次のような使い方をしていることがわかりました:
1.候補者のソーシング
2.面接等のスケジューリング
3.採用した候補者のオンボーディング
4.候補者のスクリーニング
候補者からのフィードバックを積極的に取りに行く
カスタマーエクスペリエンスがあるように、選考にも候補者体験(candidate experience)があります。
選考を体験した候補者からのフィードバックは積極的に収集し、良い点・悪い点を分析して改善に役立てましょう。
このような姿勢を示すことで、オープンで透明性のある企業だという認識を広め、更にエンプロイヤーブランドを高めることもできます。
採用プロセスを最適化するメリットとは?
採用・選考プロセスの最適化は多くのメリットをもたらします:
- より効率的に優秀な人材を獲得できる
- 採用にかかる時間を短縮できる
- 業務効率化によるコスト削減
- ポジティブな候補者エクスペリエンスの創出
- エンプロイヤーブランドの強化
- 質の高い人材の確保
- 職場の多様性の改善
- イノベーションの促進
- 従業員エンゲージメントの向上
採用のエキスパートと提携して効率的な採用を
優れた候補者をスピーディーに探すためには業界や人材市場の知識、幅広いネットワーク、専門的な手法を持つ経験豊富なリクルーターと提携するのが近道です。
ニッチなスキルが欲しいとき、大量採用をしたいとき、ビジネスを一気にスケールアップしたい時なども、人材紹介会社には採用ニーズに合わせてプロセスを合理化するノウハウがあります。
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