退職願・退職届の書き方(テンプレート付き)
退職願・退職届の基本をできるだけシンプルにまとめました。退職願・退職届の違い、手書きの方がよいのか、封筒はどう書くかといった素朴な疑問に答えます。最後にダウンロード可能なテンプレート(もちろん無料です)もご用意していますので、是非ご活用ください。
英文の退職願・退職届、海外の慣習についてはこちらをどうぞ:
“How to write the perfect resignation letter for any situation (with free templates)”
- 法律的な根拠はない?!
- 退職願・退職届・辞表の違い
- 見本
- 基本の書き方
1)手書きか、ワープロか
2)縦書きか、横書きか
3)紙、封筒、インク
4)理由
5)日付
6)印鑑
番外編)退職願をメールで送付できる?郵送は? - ダウンロード用テンプレート
1.法律的な根拠はない?!
実は退職願も退職届も、法律で提出が義務付けられている文書ではありません。
法律で定められているのは、
「当事者が雇用の期間を定めなかったとき(=主に正社員)は、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約(=退職)の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する。」(民法627条)
ということだけです。
雇用契約は双方の合意が前提であり、労働者側からも解約する自由が保証されていることがわかります。
ですが「申し入れ」の形式については、書面でなければならないという規定はなく、口頭で申し入れても解約(=退職)が成立します。
とはいえ口頭だと「言った言わない」で後々トラブルになりかねないため、解約の意思を書面で残す退職願や退職届は慣習として広く普及しています。就業規則に書き込まれている場合も多いのはそのためです。円満退社を望むならば多くの場合避けて通れない手続きと言えるでしょう。
法律の定めがないだけに、様式や慣習は会社によって違います。以下、基本的なルールをご紹介しますが、詳細は必ず、お勤めの会社の就業規則やご自分の雇用契約を確認してください。
2.退職願・退職届・辞表の違い
退職の意思を表明する文書には、一般に「退職願」「退職届」「辞表」があります。上述の通り法律的な定義はありませんが、慣習上次のように使い分けられています。
今あなたが今必要としているのはどれですか?
目的 | タイミング | |
---|---|---|
退職願 | 「退職したい」旨を会社に願い出るための書類です。 | 退職確定前。 通常は会社に退職を切り出すときに提出します。 |
退職届 | 「退職します」という意思を通知する書類です。 | 通常は退職確定後に提出します。 |
辞表 | 公務員や、会社と雇用関係にない役職者(社長など)や取締役などが、その職を辞するときに提出する書類です。 |
3.見本
続いて、退職願と退職届の見本をご紹介しましょう。本文の最後にダウンロード可能なテンプレートもご用意していますのでどうぞご活用ください。
会社所定の様式がある場合はそちらを優先してください。
退職願
退職届
4.基本の書き方
1)手書きか、パソコンか
どちらでも効力に変わりはありません。会社のルールや慣習に従いましょう。可能であれば人事部に確認すると安心です。
確認できない場合のご参考まで:
近年ではパソコンで作成したものを提出してもマナー違反と受け取られることは少ないようですが、手書きの方が誠実、と感じる方もいらっしゃるようです。
明確な規定がない場合は、提出する上司の方のお人柄や考え方も参考に決めるとよいでしょう。様式が違うためにどうしても受理できない場合は、再提出を求められるはずですので心配しすぎないこと。まずは勇気を出して退職を切り出しましょう。
※2022年1月追記:簡単なウェブアンケートを実施した結果、手書き派は12%でした。詳しくはこちらをどうぞ:「手書き VS パソコン:退職願・退職届のリアルを調査」
2)縦書きか、横書きか
こちらも法的な定めはなく、どちらも効力に違いはありません。会社のルールや慣習に従いましょう。
3)紙、封筒、インク
用紙はビジネスで一般的なA4がよいでしょう。色は当然白です。
封筒は「長形3号」サイズだと、A4を三つ折りしてきれいに収まります。郵送するわけではないので、郵便番号枠がない白無地がスマートです。改まった文書ですので、茶封筒は向きません。
B4でもOKです。B4の場合は「長形4号」の白無地の封筒がジャストサイズです。
インクは黒が常識です。特に手書きの場合は注意しましょう。消せるボールペンもNGです。
封筒の表には「退職願」又は「退職届」と書きます。
封筒の裏には、左下に自分の所属部署と氏名を書きましょう。
封については、する流儀・しない流儀があるので、どちらでも失礼にはなりません。
4)理由
転職などの理由で退職する場合は、直接の理由が何であれ詳細に記す必要はありません。「一身上の都合により」と書きます。
但し、会社都合の場合は注意してください。「退職勧奨に伴い」「部署閉鎖のため」など具体的に記載するのが普通です。会社に相談しながら作成しましょう。
理由の書き方によっては受け取れる失業手当や退職金が減ってしまう可能性がありますので、会社都合なのに、自ら望んで退社するような文言を書くよう指示された場合は専門家に相談してください。
5)日付
退職願の場合は、退職希望日を書きます。
退職届の場合は退職する日にちを書きます。
6)印鑑
印鑑は認印がよいでしょう。
実印は重たすぎますが、大切な書類にシャチハタでは軽すぎます。ここで印鑑を押すのは「確かに自分の意思である」という証明のためですから、誰でも入手できる三文判は本来の主旨に沿わないと言えるでしょう。
番外編)退職願をメールで送付できる?郵送は?
法律的には口頭でも退職できるわけですから、メール添付で送付できないことはありません。但し、現時点では慣習を逸脱したやり方ではあります。余程の事情がない限り、手渡しがベストです。
入院などで手渡しが難しい場合は、郵送が認められる場合もあります。
ちなみに、海外ではメールが普通です。
5.ダウンロード用テンプレート
いかがでしたか。
非常にシンプルな書類なので、作成自体は難しくないはずです。基本を押さえて、今までの感謝を込めて会社に渡しましょう。
同じ退職願でも、英語圏ではマナーがかなり違います。ご興味のある方はこちらの記事をどうぞ:
“How to write the perfect resignation letter for any situation (with free templates)”
英語の退職願テンプレート(英文)はこちら:
Template: Basic Resignation Letter
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