金融フロントオフィス 2022年の転職市場(1)
2022年の金融転職市場の見通しは?
コロナ危機が長引き、欧米では「大離職時代」(The Great Resignation)が取沙汰された2021年。日本でも東京の人口が26年ぶりに転出増に転じるなど、ライフスタイルを見直す人が増えています。コロナ禍で転職を我慢していたけれど、そろそろ…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2022年は、金融フロントオフィスの転職に有利なのか?最新の事情を、2004年から17年以上にわたり日本の金融フロントオフィスの転職市場を見てきた銀行&金融フロントオフィス部門シニアマネージャー、熊沢義喜に聞きました。
ーまずは昨年を振り返って、2021年のフロントオフィス転職市場はどうでしたか?
「コロナ危機の影響により2021年の大半は緊急事態宣言下にありましたが、転職市場は回復基調でした。投資銀行、銀行、格付け会社、フィンテック、PE、ヘッジファンドなど各業界、各社、各ポジションによる違いはありますが、金融フロントオフィス全体としては、求人件数は増加傾向にありました」
ー各業界・部門の動きは?
- セールス&トレーディング部門:2021年は人員削減が行われ(特に債券部門)、近年稀にみるマーケットへの影響がありました。
- 投資銀行部門(IBD):人員を増強中。M&A部門(特にクロスボーダー関連)、投資銀行カバレッジ部門(特にTMT及びヘルスケア)、資本市場部門(特にECM)などでは、ジュニアバンカーの募集がたくさんありました。
- 商業銀行:2021年もトランザクションバンキングの採用が進みました。キャッシュマネジメント、トレードファイナンスともにジュニアからシニアまで、外銀を中心に人材が動いています。RM(特に金法担当)の案件も見られました。
- 格付け会社:クレジットリサーチプロフェッショナルなどの求人が目立ちました。
- フィンテック:大幅に需要が伸びており、各社において活発な動きがありました。特にペイメント関連各社は日本拠点における急拡大を行っています。
- プライベートエクイティ(PE):外資系各社がアソシエイトからシニアアソシエイトレベルを中心に採用しています。
- ヘッジファンド:日本株ロングショートエクイティ、インベストメントアナリストのニーズがありました。
ー確かに、業種や部門によって濃淡がありますね。では、どんなスキルを持った人材が求められているのでしょうか?次回は需要の高いスキルについて、聞きたいと思います。
(パート2に続く)
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