今転職市場で求められている経理スキル
現在の転職市場ではどんな経理スキルが求められているのでしょうか?
実は近年、採用企業が求める経理スキルと、実際の経理人材が持っている経験やスキルの間にズレが生じています。このギャップは年々拡大しており、企業の人材獲得を一層難しくしています。
企業は候補者を増やそうと異業種や海外の経理人材にも目を向けていますが、世界的に同じ現象が起きているため、人材のひっ迫感は増すばかりです。
需要が集中するスキルや領域における人材獲得競争がとても激しいので、企業は中途採用の際に求めるスキルの優先順位をよく検討すべきでしょう。
また、経理で転職を考えている方やキャリアアップを目指したい方は、高需要分野のスキルを磨くことでご自分の市場価値を高めることができるはずです。
Morgan McKinleyでは、2023年度年収ガイドの一環として、世界の企業が求める経理スキルをまとめました。是非ご活用ください。
今求められている経理スキル
ビジネスパートナリング能力
ビジネスパートナリングとは、会社の目標や戦略を実現したり、会社の課題を解決したりするために、経理財務としてどう貢献できるかを考え、サポートし、実現するスキルです。会計や税務、財務の専門知識に加え、コミュニケーション能力やファシリテーション能力、問題解決力、実行力などが問われます。
「ワンランク上の」FP&Aスキル(財務分析・財務企画)
FP&A(financial planning & analysis)ではこれまで財務分析や財務予測、予算編成などの経験や能力が重視されていましたが、最近では会社全体の戦略企画に関わるなど、更に付加価値の高い仕事ができる人材が欲しいと考える企業が増えています。戦略企画能力や不確定要素に対応する力、ビジネスや経営の視点が求められます。
財務モデリング、管理会計、ファイナンシャルコントロール
財務モデリングや管理会計、ファイナンシャルコントロールは、会社の財務状況を健全に維持するための仕事です。シナリオ別に将来の業績を予測したり、原価や予算を管理したり、取引の妥当性を検討し、必要に応じて是正処置を講じたりします。データドリブンの意思決定を目指す企業も多いので、データやエビデンス、検証した結果を可視化したりわかりやすくプレゼンする能力も重要です。
財務報告(レギュラトリーレポーティング)、規制対応
企業を見る社会の目はますます厳しくなっています。内部統制が行き届いていないと多額の罰金を科せられたり、社会的信用を失うリスクがあります。コンプライアンスやコーポレートガバナンスが重視されるのは当然の流れでしょう。会計基準や法規制を的確に解釈し、効率的なレポーティング体制を構築・推進できる人材が求められています。関連部署のバイインを得る交渉力や調整力も大切です。
監査・税務:
外部監査
独立した監査法人などが会社の財務調査を行い、財務諸表が真実かつ公正であるとお墨付きを与えるのが外部監査です。公認会計士やUSCPAなどの資格が必須となります。 日本では特に英語ができる公認会計士(JCPA)はひっぱりだこです。
内部監査
内部ならではの視点で会計報告がきちんとなされているか、財務状況が健全かを監視します。不正防止や業務効率化、関連部署への助言、経営目標を達成するための仕組みづくりを担ったりもします。最近では自動化技術やAI監査などのテクノロジーにも注目が集まっています。
税務
税務会計は、税務申告や納税の準備に関わる業務です。外資系企業の日本法人では、日本の税制に詳しく、本社に英語で説明できる人材が求められます。日系グローバル企業では、海外支社と英語で税務に関するやりとりをしたり、移転価格税制など国際税務戦略を練れる人材が求められています。
ソフトスキル
ここまでは経理や会計の専門的なスキルをご紹介してきましたが、「優秀な人材」にはEQやソフトスキルも欠かせません。経理財務の転職市場では次のようなソフトスキルも重視されています。
- コミュニケーション能力
- ビジネスの知識や感覚
- マルチタスク能力、問題解決力
- ビジネスパートナリング能力
以上、経理の転職市場で需要が高いスキルをご紹介しました。
経理の年収水準はこちらでご確認いただけます:
Morgan McKinleyでは、CFOや経理マネージャー、FP&Aアナリストといったインハウス職から、監査法人のコンサルタントまで、様々な経理財務・税務の求人を扱っています。
経理で転職をお考えの方は、経理の新着求人情報をどうぞ。
経理財務人材の中途採用のご相談もお待ちしています。Morgan McKinleyの経理財務専門のチームが個別に対応させていただきます。
【こちらの記事もどうぞ】