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部下が昇給を願い出たときの対処法

部下が昇給を願い出たときの対処法
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部下に「実は給与を上げてほしいのですが…」と言われたら、あなたならどうしますか?

上司といえども部下の給与を独断で決めることはできません。給与アップを叶えてあげたいと思っても、担当部長や人事を巻き込まないと決裁できない会社がほとんどでしょう。

部下も、上司としての自分も、会社も納得できる合意はどのように形成すればいいのでしょうか?部下の昇給願への対処方法を解説します。

1. 冷静に受け止め、部下の言い分を聞く

部下が給与アップを願い出た場合は即座に昇給を約束しても、却下してもいけません。

まずは部下の気持ちを受け止め、その言い分を聞きましょう。

問題の解決を急ぐ前に十分な情報収集が必要です。なぜ給与を上げてほしいのか?なぜ自分にそれだけの価値があると感じているのか?丁寧に質問をして、答えを全てメモに取りましょう。誠実な対応が大切です。

部下から昇給を願い出るのはとても勇気がいることです。影で転職活動をするのではなく、正直に打ち明けてくれたことに感謝しなくてはいけません。上司として社員の定着率を上げるチャンスだと思いましょう。

ヒアリングを済ませたらできるだけのことをするという約束をし、回答期日の目安を示して部下を返しましょう。

2. 競合や業界給与水準のリサーチ

業界の給与水準がわかったら、部下の要求が妥当かどうかを判断しなくてはいけません。同じような職務を担う社員とバランスはとれていますか?会社や部署への貢献度はどうですか?ステップアップできるだけの知識・経験はありますか?

Morgan McKinleyの給与ガイドシミュレーターなら業界平均や市場動向が一目でわかります。

部下の要求に正当な根拠があるかをできるだけ客観的に考えましょう。部下が昇給に値するだけの働きをしているか、自分を過大評価しているだけかを見極められるのは、直属の上司であるあなただけです。

同時に、昇給を認めない場合のリスクを考えておきます。部下のモチベーションが下がってチームに悪影響を与える、転職してチームからいなくなってしまう、といった可能性を考慮しておかなくてはいけません。

3. ステークホルダーを巻き込む

次のステップは人事部や自分の上司に相談することです。人事はこうした対応に慣れているので、適切な助言がもらえるでしょう。

但し、部下の仕事ぶりを直接見ていない人事や、その人柄をよく知らない経営幹部は昇給を認めない方に傾きがちです。

きちんと根拠を示してステークホルダーを納得させましょう。でないと貴重な部下を失ってしまうかもしれません。予算が足りなくてもそこで諦めないように。プロジェクト予算を振り返るなどして工面するなど、マネージャーとしての問題解決力を発揮したいところです。

4. 部下に結果を伝える

どのような結果になったとしても、意思決定のプロセスをきちんと説明しましょう。部下の貢献・成長についての評価、業界給与水準のリサーチ、人事部との交渉、予算調整のいきさつなど、部下の納得が得られるように話します。

部下に結果を伝える

 

残念ながら昇給を認められない場合は、将来に向けて(達成度を客観的に評価できる)目標とタイムラインを定めましょう。どんなに優秀な部下であっても、上司としてどんなに力を尽くしても、財務上どうしようもない時もあります。部下がモチベーションを失わないよう、再び給与について話し合う機会を設定し、スケジュール帳に書き込んでおきましょう。転職サイトに登録する前に自分のところに相談に来てくれたのは、この会社で働きたいという意思があるからです。その気持ちを有難く受け止め、丁寧にフォローすべきです。

めでたく給与アップを認められそうな場合も意思決定の経緯をきちんと説明します。給与アップは簡単に認められるものではなく、公平・公正を期して慎重に判断しなくてはいけないことをわかってもらうためです。

給与アップを認められない場合のリテンション策

すぐに昇給を提示できる状況になくても、社員のエンゲージメントを高め定着率を維持する方法はたくさんあります。部下ときちんと向き合って、会社のどんなところが好きなのか、何に惹かれて入社したのか、将来どんなキャリアを歩みたいのかなどを知る努力をしましょう。どうすれば会社に残ってくれるかを知る手掛かりになります。

報酬以外でもできることはたくさんあります。多様な働き方を叶える工夫や有給日数の増加スキルアップ支援など、社員のキャリアを応援する取り組みが有効です。

定期的なレビューのススメ

部下が昇給を願い出るというのはイレギュラーなケースです。部下がそこまで思い詰める前に、定期的にレビューを実施して成果や目標を話し合い、進捗やキャリア目標を確認して部下が不満を溜め込まないようにしましょう。

「お客様に褒められた」「リクルーターにスカウトされた」というような発言も、ひょっとしたら自分の成果を認めてほしい、給与を上げてほしいという仄めかしかもしれません。統計的に見ても特に女性は給与アップを直談判する人が少ない(リンク先英文のみ)ので、相談しやすい環境を保ち、部下のキャリアアップに積極的に関わりましょう。

会社や上司の側から昇格・昇給の提示を受けることほど、部下にとって嬉しいことはないのですから。