今転職市場で求められている人事スキル
2023年の人事転職市場ではどのようなHRスキルが求められているのでしょうか。会社の存続に欠かせない人事の仕事ですが、刻々と変わるビジネス環境において求められる人事スキルも変化しています。
日本だけではなく世界的に売り手市場が続く中、効果的に採用を進めるためにはどのようなスキルの需要が高いのかを知り、求める要件や採用予算を的確に設定することが大切です。また、今後転職を検討されている方は、今採用企業が欲しがっているスキルのトレンドを把握すればオファー交渉を有利に進められるでしょう。転職せずに社内で昇進を目指す方も、優先的に磨くべきスキルがわかるはずです。
そこでMorgan McKinleyでは2023年の年収ガイドの一環として、世界の企業が今求めている人事スキルを調査しました。以下はその結果です。
今求められている人事スキル
グローバル・モビリティ
グローバルモビリティは国境を越えた人材の異動をサポートするスキルです。人手不足から海外人材に目を向ける企業は増えています。また、リモートワークの広がりに伴い、働き場所が多様化しているという背景もあります。国際的に社員を活かせるような制度作りはもちろん、ビザや入管手続き、各国の雇用法や税制といった法規制の知識、海外転勤をした社員のキャリア開発支援といった要素が含まれます。
HRDX、人事システムの導入・デジタル化
多くの企業がHRDX(人事のデジタルトランスフォメーション)を勧めようとしています。HRDXや人事システム、デジタルに強い人材が求められるのは当然の流れでしょう。会社のニーズに合った人事システムやHRテックの選択・導入・活用能力が高い人材の市場価値が高まっています。
人事企画
DX、ダイバーシティ&インクルージョン、持続可能性、企業統治、コンプライアンスなど、現代の企業には様々な取り組みが求められており、どのテーマも人事と切っても切り離せません。業績や企業文化の改善には適切な人事ポリシーが不可欠です。変革を目指す企業において、人事の戦略企画能力は最重要スキルの一つといってもいいでしょう。
HRデータ分析
人事においてもデータドリブンを取り入れようという挑戦が注目を集めています。人事データのパターンを探し、測定・追跡・分析して意思決定に役立てたいという企業は少なくありません。会社特有の事情に合った人事データアナリティクスのフレームワークを設計・実装し、社員や部署のパフォーマンス改善に役立てるスキルや、データとデータでは割り切れない部分のバランスを探れる人材が求められています。
L&D(教育研修)
L&D(Learning & Development)は会社の経営理念やビジネス目標に沿った研修プログラムを設計し、実行する仕事です。採用難が続き、リスキリングや学び直しをサポートする動きが広がる中で重要性が高まっているスキルです。ITなどのハードスキルだけでなく、ダイバーシティやコンプライアンス、アンコンシャス・バイアスなどの意識改革に取り組む企業も増えています。
人材開発
会社の人材パイプラインを管理するためには社員の評価や後継者育成、リーダーシップ開発が欠かせません。社員を定着させ、やりがいを持って働いてもらうためにも大切なスキルなので需要が高まっているのでしょう。
採用
人材難が続く中、採用職の重要性は言うまでもありません。インハウスでのソーシングや人材パイプラインの構築、ラインとの交渉、オファーマネジメントなどスキルや、テクノロジーを活かして採用のIT化を進める知見が求められています。より高次元で採用プログラムの設計・企画力のある人材を確保したいと考えている企業もあります。
C&B(給与・福利厚生)
タレントアトラクション、タレントリテンションに欠かせないのは魅力的で透明性の高い、公平な給与体系です。コロナ禍を経て、給与収入以外の福利厚生に目を向ける候補者も増えました。こうしたトレンドを踏まえて給与体系を見直す企業も増えています。
ER、従業員エンゲージメント
従業員の満足度を高め、離職率を抑えるためには従業員エンゲージメントが高い(=社員がやりがいを感じられる)職場づくりが大切です。社員とのコミュニケーションやトラブル解決、エンゲージメント向上の取り組みを推進できる人材が求められています。
ソフトスキルなど
世界のHR部門が求めているのは人事の専門的なスキルや知識だけはありません。ソフトスキルも重視されています。2023年のHR求人でよく見るのは次のようなスキルです:
- 積極性、仕事に対するコミットメント
- ステークホルダー・エンゲージメント能力
- ラーニングアジリティ(学習機敏性)※未知の問題に取り組む力
- 優先順位の異なるタスクを効果的に処理する能力
- 英語などの語学力
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