今金融で求められているスキルと日本の転職市場動向
今金融の転職市場ではどのようなスキルが求められているのでしょうか?そして、2023年の中途採用市場はどのように展開しているのでしょうか?
2023年の年収ガイドを編集するにあたりMorgan McKinleyが調査した、今世界の金融転職市場でホットなスキルと、現在の日本の転職市場の動向をご紹介します。
中途採用のオファーマネジメントや募集要件整理に、また金融業界での転職活動を有利に進めたい方、社内でキャリアアップを目指す方のお役に立てば何よりです。
今世界で求められている金融スキル
フロントオフィス
キャピタルマーケッツ
ECM、DCM、カバレッジバンカーなどの求人が増加傾向にあります。
M&Aアドバイザリー
クロスボーダーを含め、M&Aの求人が増えています。入り口で求められるのは財務モデリングやバリュエーションのスキルなど。コンサルからの転職OKの案件もあります。(日本ではFAS/コンサル側のM&A求人も増加傾向です)。
ポートフォリオ・マネジメント、ウェルス・マネジメント
ポートフォリオマネージャーとしてファンドを運用するスキルや、海外では富裕層の資産運用をサポートするウェルスマネジメントの需要も高まっています。
クオンツ
トレーディングや資産運用はもちろん、商品開発、リスクマネジメント、株式調査、マ―ケティングなど応用範囲が広く、常に一定の需要がある分野です。
オペレーションのスキル
キャッシュマネジメント
コーポレートバンキングではキャッシュマネジメント人材の需要が高まっています。
KYC、AML(アンチ・マネーロンダリング)
KYC(Know Your Client)やAMLは引き続きニーズが高い分野です。関連システムやテクノロジーに強い方は更に市場価値が高いです。
リスク、コンプライアンスのスキル:
規制対応、レギュラトリー
金融業界の最新規制に関する知識はもちろん、具体的な解釈や今後の動向、業界の慣行、規制対応を推進するためのコンセンサスやフレームワークづくりといった実務能力も重要です。法務コンプライアンスや経理財務部門だけでなく、ITやオペレーションでも重視されているスキルです。
金融以外のスキル:
プラスアルファになるような金融以外のスキルやソフトスキルも重要です。2023年の中途採用市場で重視されているものをご紹介します。
- プロジェクトマネジメント能力
- システム開発・導入経験や業務自動化などのITスキル
- セルフスターターのメンタリティ
- 多様なメンバーをリスペクトし、連携できるチームワーク
- プロセス改善に対する積極性
※ITスキルが気になる方は、今のIT転職市場で求められているスキルをご参照ください。
日本の金融転職市場動向:
2023年6月現在、日本の金融業界には中途採用を続けている企業と、世界経済の情勢を鑑みて慎重になっている企業が混在しています。
ミドル及びバックオフィスでは、ジュニア~中堅ポジションのリプレイスメント採用が目立ちます。昨年末の段階では規制強化に対応するためコンプライアンスやリスク、内部統制関連の部署を増強する話もありましたが、まだ明確に増員に乗り出した企業はありません。
一方、中堅外資系の金融機関が日本市場進出や日本法人の立ち上げに動くケースもあり、関連する求人が増えています。
2022年にダウンサイズをした小・中規模のハウスが再びヘッドカウントを戻す動きもあります。
以上が金融の中途採用・転職市場で需要が高いスキルと日本の最新転職市場動向です。
Morgan McKinleyでは、証券会社・投資銀行、コーポレートバンキング、アセットマネジメント、PEファンドやフィンテックなど、様々な金融機関や関連企業のフロント、ミドル、バックオフィスの求人を扱っています。
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